終末期ケア(1327)ー2 "COPDは、セルフケア支援が重要" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星今はこうする!
    高齢者患者ケア


❶「疾患・症状」をみる

①COPD(慢性閉塞性肺疾患)は
   セルフケア支援が重要 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)



・COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙を
 主とする有害物質を長期にわたって吸入暴露
 することで生じる肺の炎症疾患で、「中枢
 気道」「末梢気道」の炎症と「肺胞領域」
 「肺血管」の破壊を生じる、通常は進行性の
 疾患です。




・外因性因子の多くは、タバコの煙、外気汚染

 物質の吸入、職業性粉塵(アスベスト)です。


・したがって特に、禁煙指導がとても重要

 です。


・病期は、I期(軽度の気流閉塞)では無症状で

 あることが多く、II期になると労作時の

 呼吸困難を生じ、日常生活に支障をきたす

 ようになります。

 Ⅲ期になると症状は持続的となり、身体を

 動かすと呼吸困難を生じます。

 Ⅳ期では安静時にも呼吸困難が起こります。



COPDの重症度





⑴セルフケア教育は

    根気強く継続する


禁煙はCOPDにおいて最も重要な治療ですが

 高齢者は喫煙歴が長いことが多いため、根気

 強い指導が必要です。


・呼吸リハビリテーションでは、

 運動療法を中心とした呼吸訓練、排痰法、

 胸郭可動域訓練などを行い、日常生活の

 呼吸困難を緩和しQOLを改善させます。


・ただし、予防行動なども同時に実現するため

 モチベーションを維持しながら実施していく

 ことが重要です。







栄養管理も重要です。

 COPD病期分類Ⅲ期以上の患者さんでは、

 呼吸筋のエネルギー消費の増大などにより

 約40%に体重減少が認められます。


水分摂取量が不足して便秘傾向となり、

 排便時に怒責をかけると呼吸困難感を増すと

 いった悪循環に陥ります。




・呼吸困難を緩和した食事摂取方法などを

 指導していきましょう。








⑵器具の特徴に合わせた
    薬物療法を支援する

・吸入薬には、ドライパウダー製剤と加圧式
 定量噴霧型吸入器製剤など数種類があり
 ます。





主な吸入器具


 
・ドライパウダー製剤は、「強く・深く吸う」
 加圧式定量噴霧型吸入器は、「ゆっくり
 吸う」など、使用する器具に合わせた注意
 事項や副作用などを含めた指導が大切です。

・また、口腔内に薬剤の刺激感がないと
 薬剤が出ていないと考えたり、製剤の交換
 時期を守らず使い続けたりすることもある
 ため注意が必要です。

・いずれの製剤も、「吸う前に息を吐き
 きっておく」ことが重要です。




⑶HOTを安全・確実に行える
       準備を整える

在宅酸素療法(HOT)は、容姿の変化や
 「管につながれている」といった圧迫感、
 機械操作の難しさなどから事前の指導が必要
 となります。




・さらに、火気厳禁は必須で、ガスコンロから

 電気調理器への改修や、緊急時や災害時に

 慌てずに連絡できるような準備を整えます。


 





・また、苦しいからといって安易に酸素濃度を

 上げると、CO2ナルコーシスを引き起こす

 原因となるため、医師の指示を守るように

 説明することも重要です。


・そのためにも、HOTを導入する前には

 患者さんの認知障害の有無・程度を評価し

 自己管理が可能か確認する必要があります。








参考資料

    最新の根拠にもとずく
  今はこうする高齢患者ケア
      編著 戸島郁子  
      医学監修 梁 広石 
            照林社
   
          
       
    次回は、
     「疾患・症状」をみる
    "夜間のいびき、昼間の居眠りは
     睡眠時無呼吸症候群の危険信号"
             


               について


 ご感想、ご意見、ご質問、
 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。