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今はこうする!
高齢者患者ケア
❶「疾患・症状」をみる
①COPD(慢性閉塞性肺疾患)は
セルフケア支援が重要
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙を
主とする有害物質を長期にわたって吸入暴露
することで生じる肺の炎症疾患で、「中枢
気道」「末梢気道」の炎症と「肺胞領域」
「肺血管」の破壊を生じる、通常は進行性の
疾患です。
・外因性因子の多くは、タバコの煙、外気汚染
物質の吸入、職業性粉塵(アスベスト)です。
・したがって特に、禁煙指導がとても重要
です。
・病期は、I期(軽度の気流閉塞)では無症状で
あることが多く、II期になると労作時の
呼吸困難を生じ、日常生活に支障をきたす
ようになります。
Ⅲ期になると症状は持続的となり、身体を
動かすと呼吸困難を生じます。
Ⅳ期では安静時にも呼吸困難が起こります。
COPDの重症度
⑴セルフケア教育は
根気強く継続する
・禁煙はCOPDにおいて最も重要な治療ですが
高齢者は喫煙歴が長いことが多いため、根気
強い指導が必要です。
・呼吸リハビリテーションでは、
運動療法を中心とした呼吸訓練、排痰法、
胸郭可動域訓練などを行い、日常生活の
呼吸困難を緩和しQOLを改善させます。
・ただし、予防行動なども同時に実現するため
モチベーションを維持しながら実施していく
ことが重要です。
・栄養管理も重要です。
COPD病期分類Ⅲ期以上の患者さんでは、
呼吸筋のエネルギー消費の増大などにより
約40%に体重減少が認められます。
・水分摂取量が不足して便秘傾向となり、
排便時に怒責をかけると呼吸困難感を増すと
いった悪循環に陥ります。
・呼吸困難を緩和した食事摂取方法などを
指導していきましょう。
⑵器具の特徴に合わせた
薬物療法を支援する
・吸入薬には、ドライパウダー製剤と加圧式
定量噴霧型吸入器製剤など数種類があり
ます。
・ドライパウダー製剤は、「強く・深く吸う」
加圧式定量噴霧型吸入器は、「ゆっくり
吸う」など、使用する器具に合わせた注意
事項や副作用などを含めた指導が大切です。
・また、口腔内に薬剤の刺激感がないと
薬剤が出ていないと考えたり、製剤の交換
時期を守らず使い続けたりすることもある
ため注意が必要です。
・いずれの製剤も、「吸う前に息を吐き
きっておく」ことが重要です。
⑶HOTを安全・確実に行える
準備を整える
・在宅酸素療法(HOT)は、容姿の変化や
「管につながれている」といった圧迫感、
機械操作の難しさなどから事前の指導が必要
となります。
・また、苦しいからといって安易に酸素濃度を
上げると、CO2ナルコーシスを引き起こす
原因となるため、医師の指示を守るように
説明することも重要です。
・そのためにも、HOTを導入する前には
患者さんの認知障害の有無・程度を評価し
自己管理が可能か確認する必要があります。