2部に分けて投稿しています
本文はこちらです
⭐️患者と家族に
もっと届く緩和ケア
高齢者救急
高齢者の
アセスメント・初期対応
❶呼吸困難における初期対応
では、どのようなことが
大切でしょうか?②
⑴十分量の酸素投与
・呼吸困難で低酸素血症を伴っている場合は
生命に危険が及ぶ状態です。
そのため、酸素投与が重要になります。
・しかし、むやみに酸素量を増やすことは、
CO2ナルコーシス※の危険を伴います。
※CO2ナルコーシスとは
人の呼吸中枢は二酸化炭素が蓄積する刺激
で呼吸の命令を出していますが、普段から
二酸化炭素が蓄積している慢性呼吸不全の
人は低酸素が刺激となって呼吸中枢が刺激
されます。そこにいきなり高濃度の酸素を
投与すると、低酸素がいっぺんに改善され
て、呼吸中枢はもう呼吸をしなくてよい
のだと勘違いしてしまって、呼吸が止まって
しまう」という病態です。
・このようなことを避けるために、
肺気腫や慢性気管支炎など慢性閉塞性肺疾患
の既往歴がある高齢者や、在宅酸素を行って
いる場合は、酸素を低流量(0.5〜1L)から
開始して、SpO2=90%程度を目標に
します。
・しかし、救急現場の大原則として酸素投与
を行う場合は十分量を投与することが必要
であると覚えてください。
⑵酸素投与方法と
酸素濃度の関係
・酸素投与は、自発呼吸時、補助呼吸時、
調整呼吸時に、それぞれ酸素化の維持のため
に実施されます。
・低流量とはマスクから供給される総流量が
患者さんの1回換気量より少ないことを意味
します。
・低流量酸素投与には、鼻カニューレ、
酸素マスク(フェイスマスク)、リザーバー
マスクがあります。
・救急場面では、十分量を投与するというのが
大原則です。
・酸素投与のみで酸素化が改善しない場合や
呼吸状態が悪い場合は、NPPV(非侵襲的
陽圧換気)や気管挿管による人工呼吸を考慮
します。
呼吸困難では、
呼吸数チェックと
酸素投与が大切
会話から呼吸数や呼吸状態を推定
できるようにしよう
酸素投与は十分量が原則!
低酸素状態は数分で致命的
慢性閉塞性肺疾患、在宅酸素療法中
過去にPaCO2上昇ありの場合のみ
低容量(0.5〜1L)から開始して
SpO2 90%を目標に
参考資料
急変予防&対応ガイドマップ
高齢者救急
岩田充永
医学書院
次回は、
"高齢者救急
高齢者のアセスメント・初期対応
呼吸困難の原因には
どのようなものがありますか?①"
について
一緒に勉強しましょう
※ ご感想、ご意見、ご質問、
ご遠慮なくいただけたらと思います。
手探りでやってますので、ヒントをもらえたら
私も勉強になりありがたいです。