終末期ケア(1273)ー2 "呼吸困難における初期対応で大切なこと②" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



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⭐️患者と家族に
   もっと届く緩和ケア

ひまわり高齢者救急

ちょうちょ高齢者の
  アセスメント・初期対応

❶呼吸困難における初期対応
 では、どのようなことが
     大切でしょうか?②

⑴十分量の酸素投与

呼吸困難で低酸素血症を伴っている場合は
 生命に危険が及ぶ状態です。
 そのため、酸素投与が重要になります。

・しかし、むやみに酸素量を増やすことは、
 CO2ナルコーシスの危険を伴います。


※CO2ナルコーシスとは
 人の呼吸中枢は二酸化炭素が蓄積する刺激
 で呼吸の命令を出していますが、普段から
 二酸化炭素が蓄積している慢性呼吸不全の
 人は低酸素が刺激となって呼吸中枢が刺激
 されます。そこにいきなり高濃度の酸素を
 投与すると、低酸素がいっぺんに改善され 
 て、呼吸中枢はもう呼吸をしなくてよい 
 のだと勘違いしてしまって、呼吸が止まって
 しまう」という病態です。



・このようなことを避けるために、

 肺気腫や慢性気管支炎など慢性閉塞性肺疾患

 の既往歴がある高齢者や、在宅酸素を行って

 いる場合は、酸素を低流量(0.5〜1L)から

 開始して、SpO2=90%程度を目標

 します。


・しかし、救急現場の大原則として酸素投与

 を行う場合は十分量を投与することが必要

 であると覚えてください。





⑵酸素投与方法と

    酸素濃度の関係


・酸素投与は、自発呼吸時、補助呼吸時、

 調整呼吸時に、それぞれ酸素化の維持のため

 に実施されます。


低流量とはマスクから供給される総流量が

 患者さんの1回換気量より少ないことを意味

 します。


・低流量酸素投与には、鼻カニューレ、

 酸素マスク(フェイスマスク)、リザーバー

 マスクがあります。








救急場面では、十分量を投与するというのが

 大原則です。


・酸素投与のみで酸素化が改善しない場合や

 呼吸状態が悪い場合は、NPPV(非侵襲的

 陽圧換気)や気管挿管による人工呼吸を考慮

 します。



!!呼吸困難では、
  呼吸数チェックと
    酸素投与が大切

!会話から呼吸数や呼吸状態を推定
 できるようにしよう

!酸素投与は十分量が原則!
   低酸素状態は数分で致命的

!慢性閉塞性肺疾患、在宅酸素療法中
 過去にPaCO2上昇ありの場合のみ
 低容量(0.5〜1L)から開始して
 SpO2 90%を目標に







参考資料

 急変予防&対応ガイドマップ
       高齢者救急
          岩田充永
             医学書院
   
          
       
    次回は、
    "高齢者救急
     高齢者のアセスメント・初期対応
     呼吸困難の原因には
     どのようなものがありますか?①"
     

           
        
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