終末期ケア(1218)ー2 "本当の難治性せん妄 治療目標を決める" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️患者と家族に
   もっと届く緩和ケア

ひまわりひととおりのことをやっても
 苦痛が緩和しない時に開く本

ちょうちょ本当の難治性せん妄

❶治療目標を決める

・せん妄の基本的な緩和ケア、つまりは、
 原因の治療、環境の整備、薬物療法をやって
 それでも「いまひとつパッとしない」、
 できることを全部考えて、それでもせん妄が
 よくならないとしたら…
 それは、本当の難治性せん妄なのだろうと
 疑います。


!!難治性せん妄になりやすい状態

1、難治性疼痛の患者さんで、
 オピオイドの量が多く、痛みに対し
 てこれ以上対応策がない場合

2、肝不全で不穏が激しい場合

3、もともと精神疾患があり、
 
・多種類の向精神薬を飲んでいる場合
 ・アルコールや薬物の依存がある場合
 ・認知症によるせん妄がある場合









・基本的に、下記の2つの治療方針があり

 ます。


❶せん妄(眠気)を改善することを目的として

 オピオイドも減らし、痛みも改善できる

 ような介入的治療を行う


❷基本的な鎮痛手段を用いて、なるべく鎮痛を

 図りつつ、せん妄には抗精神病薬・睡眠薬を

 併用し、「うとうとしていてもあまり苦しく

 ない状態」を目指す


・呼吸困難や肝不全・低酸素血症によるせん妄

 と違って、痛みは臓器機能に問題のない

 患者さんでも強くなりますから、治療目標の

 設定が難しくなります。


何を目的とするか、最後の数日をどう過ごす

 か、せん妄の治療を強めると話ができなく

 なることがあるので、話ができることを重視

 するか(会っておきたい人がいるか、話したい

 ことがあるか)と、身の置き場のない感じを

 和らげることのバランスを相談します。













参考資料

 患者と家族にもっと届く緩和ケア
  ひととおりのことをやっても
   苦痛が緩和しない時に開く本

         森田達也著
             医学書院
 
          
       
    次回は、
   "ひととおりのことをやっても
     苦痛緩和しない時に開く本
       呼吸困難が取りきれない時
       体動時呼吸困難への対応
        
          

             について

          
                        一緒に勉強しましょう ニコニコ


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  私も勉強になりありがたいです。