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⭐️患者と家族に
もっと届く緩和ケア
ひととおりのことをやっても
苦痛が緩和しない時に開く本
本当の難治性せん妄
❶治療目標を決める
・せん妄の基本的な緩和ケア、つまりは、
原因の治療、環境の整備、薬物療法をやって
それでも「いまひとつパッとしない」、
できることを全部考えて、それでもせん妄が
よくならないとしたら…
それは、本当の難治性せん妄なのだろうと
疑います。
難治性せん妄になりやすい状態
1、難治性疼痛の患者さんで、
オピオイドの量が多く、痛みに対し
てこれ以上対応策がない場合
2、肝不全で不穏が激しい場合
3、もともと精神疾患があり、
・多種類の向精神薬を飲んでいる場合
・アルコールや薬物の依存がある場合
・認知症によるせん妄がある場合
・基本的に、下記の2つの治療方針があり
ます。
❶せん妄(眠気)を改善することを目的として
オピオイドも減らし、痛みも改善できる
ような介入的治療を行う
❷基本的な鎮痛手段を用いて、なるべく鎮痛を
図りつつ、せん妄には抗精神病薬・睡眠薬を
併用し、「うとうとしていてもあまり苦しく
ない状態」を目指す
・呼吸困難や肝不全・低酸素血症によるせん妄
と違って、痛みは臓器機能に問題のない
患者さんでも強くなりますから、治療目標の
設定が難しくなります。
・何を目的とするか、最後の数日をどう過ごす
か、せん妄の治療を強めると話ができなく
なることがあるので、話ができることを重視
するか(会っておきたい人がいるか、話したい
ことがあるか)と、身の置き場のない感じを
和らげることのバランスを相談します。
参考資料
患者と家族にもっと届く緩和ケア
ひととおりのことをやっても
苦痛が緩和しない時に開く本
森田達也著
医学書院
次回は、
"ひととおりのことをやっても
苦痛が緩和しない時に開く本
呼吸困難が取りきれない時
体動時呼吸困難への対応"
について
一緒に勉強しましょう
※ ご感想、ご意見、ご質問、
ご遠慮なくいただけたらと思います。
手探りでやってますので、ヒントをもらえたら
私も勉強になりありがたいです。