終末期ケア(1217)ー2 "難治性ではないはずのせん妄 IV(静脈)ルートが取れない" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️患者と家族に
   もっと届く緩和ケア

ひまわりひととおりのことをやっても
 苦痛が緩和しない時に開く本

ちょうちょ難治性ではないはずのせん妄

❶IV(静脈)ルートが取れない


爆笑こんな言葉、こんな症状が
        カギになります




・セレネースやサイレースを使いたい
 けれど、IV(静脈)ルートが取れない

・身体中探しても、ルートを取れそうな
 静脈がない


星対応
ひまわり皮下注射、坐薬投与、舌下投与のいずれか
 は可能なはず、可能な方法で対応する

・IVルートが取れない、そんな時でも、
 いろいろな経路で薬剤は投与できるもの
 です。





⑴皮下投与

・セレネース(ハロペリドール)やドルミカム
 (ミタゾラム)は皮下投与が可能です。

コントミン(クロルプロマジン)は、
 pHが低く(酸性で)、皮下壊死を起こすことが
 まれにあるので皮下投与には細心の注意が
 必要です。
 緩和治療の専門家が持続皮下投与を行った
 経験を積み重ね、注意深く観察(毎日毎日
 ちゃんと刺入部を見て赤くなったら中止
 する対策をすれば)重篤な壊死は起きなかっ
 たと報告されています。

サイレース(フルニトラゼパム)も、あまり
 知られていませんが皮下投与は可能です。
 静脈投与よりも効果が遅れて出てくるので
 注意が必要ですが、他に方法がない場合に
 適応します。
 


⑵坐薬投与

・坐薬で使用可能なものといえば、製剤として
 出ているのは、レキソタンのセニラン坐薬
 セルシンのダイアップ坐薬、バルビツール
 製剤のワコビタール坐薬です。





⑶舌下投与

セルシン注射薬やホリゾン注射薬は
 舌下投与が可能で、即効性があるわりに
 数時間効果が続きますので、終末期せん妄
 でルートが取れない時には役立つ投与方法
 です。

・ドルミカムも舌下投与ができますが、
 実際は頬粘膜から吸収されるようです。








参考資料

 患者と家族にもっと届く緩和ケア
  ひととおりのことをやっても
   苦痛が緩和しない時に開く本

         森田達也著
             医学書院
 
          
       
    次回は、
   "ひととおりのことをやっても
     苦痛緩和しない時に開く本
       本当の難治性せん妄
         治療目標を決める
          

             について

          
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