終末期ケア(1215)ー2 "難治性ではないはずのせん妄 セレネースで眠れない①" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️患者と家族に
   もっと届く緩和ケア

ひまわりひととおりのことをやっても
 苦痛が緩和しない時に開く本

ちょうちょ難治性ではないはずのせん妄

❶セレネースで眠れない①

爆笑こんな言葉、こんな症状が
        カギになります




・せん妄になってから「不眠時、不穏時
 セレネース」という指示が出たが、
 かえって患者さんが眠れていない


晴れ「セレネース(ハロペリドール)は
 メジャートランキライザーだから、
 マイナートランキライザーの睡眠薬よりも
 強い(から眠れるはず)」という間違った
 認識がちょこちょこあります。







⑴「直接の就眠作用はない」

                      抗精神病薬


・抗精神病薬は、セレネース(ハロペリドール)

 セロクエル(クエチアピン)、リスパダール

 (リスペリドン)などの「精神病に投与する

 薬」このとで、ドパミン受容体を阻害する

 ことで幻覚・妄想を治療します。


・ドパミンが大量に放出されると、興奮・幻覚

 妄想が出やすくなります。


・例えば、覚せい剤もドパミンを刺激し、

 パチンコやゲームでも脳内にドパミンが大量

 に放出される状態になります。






⑵「ほどほど眠くなる」

       抗精神病薬


・抗精神病薬の中でも、就眠にも効く

 セロクエル(クエチアピン)やコントミン

 (クロルプロマジン)といった薬は、

 抗ヒスタミン作用があってほどほど眠く

 なります。


・よく使用されるアタラックスP(ヒドロキシ

 ジン)は抗ヒスタミン剤としての眠気があり

 ます。


・ちなみに、市販される睡眠改善薬のドリエル

 は、中身が抗ヒスタミン剤(おおむねトラ

 ベルミン)です。






⑶日中もせん妄症状が強い場合


・「眠れない」の意味は夜間だけのことでは

 なく、日中にも当てはまります。


・日中もせん妄症状(興奮)が強い場合は、

 ひどい不穏になる「前」に数時間効果のある

 薬剤を使用するからです。


・日中に鎮静薬を投与することを「間欠的鎮痛」

 と呼ぶことがあります。


夜間は眠れるようにアタラックスPや

 サイレースを使用して、日中はなるべく

 意識を保てるようにセレネースだけにする

 という方法もあります。







参考資料

 患者と家族にもっと届く緩和ケア
  ひととおりのことをやっても
   苦痛が緩和しない時に開く本

         森田達也著
             医学書院
 
          
       
    次回は、
   "ひととおりのことをやっても
     苦痛緩和しない時に開く本
      難治性ではないはずのせん妄
       セレネースで眠れない②"
          

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