終末期ケア(1060)-2 "精神的症状 抑うつ②" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️緩和ケアの基礎知識

イチョウ症状別・緩和ケアの実践
  
 精神的症状:抑うつ①

花束うつ病による抑うつ症状と、疾患に伴う
 抑うつ症状を区別して考えることが大切
 である。

花束抑うつにより、自殺に至る患者さんも
 少なくないため、注意深くスクリーニング
 する必要がある。

花束うつ病の治療では、薬物療法と心理療法を
 併用することがポイントとなる。




❷標準的なケア

⑴不安の除去

・基本は共感的かつ支持的精神・心理療法
 です。

①病状進行や再発に対する不安、終末期の
 孤独感などに対して、患者さんの思いや
 感情の表出を促して、悩みや不安をよく聴き
 それを理解して支持する。

②「よい/悪い」「間違っている」といった
 価値判断はせず、批判・解釈することなく 
 受容する。
 また、安易に励ますようなこともせず、
 できる限り理解しようと努力しながら、
 患者さんの苦しみを最後まで支え続けると
 いう姿勢を保つ。


③コントロール不十分な身体症状(疼痛など)や
 家族の問題など、環境的な要因が存在する
 こともあるため、常に包括的なケアの提供を
 心がける。

④医療スタッフが患者さんの精神状態をよく
 理解し、医療チームとして患者さんを支え
 ていく体制を整える(医療スタッフからの
 心理的な援助の有無が、患者さんの精神的な
 適応を大きく左右する要因であることが
 示されている)


⑵自殺の予防

・がん患者さんがうつ病に罹患して自殺に至る
 ことは、まれではありません。

・がんと診断されることは、これまでの
 「いかに生きることが重要か」という思考を
 突如として「死に向かってどのように人生を
 終えるべきか」という思考に変化させる
 劇的なライフイベントです。

・同時に、無限に感じられていた人生が
 有限だったことに気づかされ、死の存在を
 再度自覚します。

・その結果、「どうせ死を迎えるのなら」と
 自殺の手段を考えることは、容易に想像
 できることです。







❸実践的なケア

⑴薬剤使用時の注意点

・抗うつ薬は、うつ病や適応障害に有効
 です。

・使用する抗うつ薬は、病歴や合併症、
 抑うつ症状の種類、反応性のあった
 抗うつ薬の種類、副作用によって決定
 します。












⑵孤独感・負担感の軽減

・さらに、自殺の予防には、
 自殺の対人関係理論を理解して、
 「負担感の知覚」「所属感の減弱」を極力
 少なくするように働きかけることが重要
 です。



※自殺の対人関係理論とは
 なぜ個人が自殺行動を取るのかを説明し、
 そして誰に自殺のリスクがあるのかを
 特定しようとするものである。
 理論は自殺企図につながる3つの要素から
 構成される。
 理論によれば、所属感の減弱と負担感の
 知覚が自殺願望を生む。自殺願望は必須では
 あるが、それだけでは自殺による死には
 つながらない。
 むしろ、死への自然な恐れを乗り越える
 には、自殺への潜在能力を身に着けている 
 必要があるという理論


がん患者さんの多くは、
 がんという疾患のため、職場での居場所が
 ないと感じたり、家族に負担をかけている
 ことを強く自覚したりしています。

・このような「孤独感」「負担感」を軽減する
 働きかけをすることこそが、最大の自殺予防
 となりうるでしょう。




参考資料

  緩和ケア               
   はじめの一歩
     著者 林 ゑり子
            照林社
     

   
    次回は、
    緩和ケアの基礎知識

     症状別・緩和ケアの実践
         精神的症状
             不眠①"
                          
                   について

          
                        一緒に勉強しましょう ニコニコ


 ご感想、ご意見、ご質問、
 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

   私にも勉強になりありがたいです。