終末期ケア(1008)-2 "緩和ケアの基礎知識 全人的苦悩" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



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⭐️緩和ケアの基礎知識

イチョウ緩和ケア:理解のポイント
  
❶全人的苦悩

花束全人的苦悩は、患者さんとご家族の身体的
 精神的、社会的、スピリチュアルなつらさ
 の総称である。

花束治療・緩和をめざすことができる「苦痛」
 と、治療・緩和をめざすのが難しい「苦悩」
 である。

花束多職種と協働し、最期まで患者さんと
 向き合い、揺らぐ気持ちを受け止めるケアが
 大切である。




❷苦しみは
  「1つだけ」ではない



・人は、健康が脅かされたときや、

 死や人生の終わりを意識したときに、

 苦しみ(苦痛:pain、苦悩:suffering)を

 感じます。


・この苦しみは、脅威がなくなるか、

 健康が回復するまで、消えることはあり

 ません。


・苦しみは、その人が置かれている客観的

 状況とその人の主観的な想い・願い・価値観

 との「ズレ」によって構成されます。


・患者さんの苦しみは、身体的なものだけで

 なく、精神的、社会的、スピリチュアルな面

 に及ぶため、包括的・多面的にとらえる

 必要があります。


・そのため、患者さんの苦しさ・つらさは

 全人的苦悩または全人的苦痛といわれて

 います。



メモアドバイス

 「目に見えるつらさは氷山の一角」と

 いわれています。

 患者さんごとに異なるつらさ(気がかり)に

 気づけるよう、日々アンテナを磨くことが

 大切です。






❸全人的苦悩の構成要素

         (がん患者さんの場合)


⑴身体的なつらさ


・がん患者さんには、痛み以外にも、

 多くの身体的症状(不快な症状、がん治療に

 よる副作用など)が出現します。


・これらの症状は、食事・排泄・睡眠など

 患者さんの日常生活に影響します。


・身体症状があっても、日常生活動作に障害

 がなければ「つらい」と訴えない患者さん

 もいます。

 つらさの感じ方は、人それぞれです。


・また、痛みや呼吸困難などの症状が長く

 続くと「病気が悪化しているのではないか」

 「このまま死んでしまうのではないか」と

 いった不安から精神的つらさが生じることも

 あります。


・さらには、身体的症状によって

 「休職しなければならない」「家庭内の役割

 が果たせない」といった社会的なつらさ

 生じることもあります。


・特に亡くなる前の1か月、呼吸困難、眠気、

 食欲低下が急激に悪化するといわれて

 います。







⑵精神的なつらさ


・がんの診断は、患者さんとそのご家族に

 とって、将来への見とおしを根底から否定的

 に変える悪い知らせとなります。


・がん患者さんの多くは

 「これからどうなってしまうのだろう」

 「治療に耐えられるのだろうか」

 「いつか再発するのではないか」

 「いつまで治療が続けられるのだろうか」

 「あと、どのくらい生きられるのか」

 という不安を抱えています。


10〜20%のがん患者さんには、適応障害

 見られます。


・精神的なつらさが強くなると、治療などの

 意思決定ができなくなる場合もあります。


・患者さんのご家族も精神的なつらさを抱え

 ます。

 およそ10〜50%のご家族が、うつ病や

 適応障害を抱えているといわれています。



⑶社会的なつらさ


・がんと診断され、治療を開始すると、

 少なからず患者さんの日常生活は変化

 します。


・それまで行っていた仕事や家庭での役割が

 できなくなると生きがいの喪失につながり

 かねません。


・がん患者さんには、治療や入院に伴う

 医療費の負担、休職などによる生活費の

 ダメージなど、経済的な問題も生じます。


・親族との関係変化や遺産問題も起こり得

 ます。


・また、闘病の長期化や病状の進行に伴い

 療養場所の移行を余儀なくされ、住み慣れた

 場所で療養できないつらさを抱える患者さん

 もいます。


・このような、生活者としての社会的なつらさ

 に対するアプローチも重要です。



メモアドバイス

 患者さんの言葉、表情、動作には、

 たくさんの情報が含まれています。

 「今の言葉はどんな意味なのだろうか」

 「なぜ、悲しそうな顔をしているの

  だろうか」

 「何度も寝返りをうっているが、眠れて

  いないのだろうか」

 など、状況から患者さんのつらさを推測する

 ことも重要です。




⑷スピリチュアルなつらさ


・スピリチュアルは、実存的な問題に関係

 します。


・「生きていても意味がない」

 「私の人生に何の意味があったのだろう」

 「人に迷惑をかけてまで生きたくない」

 といった生きる意味のつらさです。


生きる意味は、人それぞれ異なります。


・看護師は、自分の価値観を押し付けず、

 最期のときまで患者さんと向き合う、

 揺らぐ気持ちを受け止めるケアが大切

 です。



メモあわせて知りたい!

 非がん疾患の場合、

 治療によって苦痛が緩和されるため、

 最期まで治療が継続されることがあります。

 予後予測も非常に難しくなります。

 患者さんの病状を、看護師が把握しておく

 ことが大切です。




❹全人的苦悩へのアプローチ


・緩和ケアを必要とする患者さんとそのご家族

 は、身体的だけでなく、精神的、社会的、

 スピリチュアルな面でつらさを抱えます。


・そのようなつらさに対応するためには、

 医師や看護師だけでなく、専門性を持った

 多職種でのかかわりが必要となります。





・患者さんの状態・状況によっては、

 つらさの治療・緩和ができない場合も

 あります。


・しかし看護師は、あきらめずに

 「患者さんのつらさがやわらぐ方法は

 ないか」かかわり続ける必要があります。


適切なアセスメントと症状マネジメント、

 精神的なケア、意思決定支援、家族ケア、

 多職種との協働はもちろんのこと、

 患者さんやご家族のそばにいる、寄り添う

 ことも、看護師にできる有効なアプローチ

 です。






参考資料

  緩和ケア               
   はじめの一歩
     著者 林 ゑり子
            照林社

   
    次回は、
    緩和ケアの基礎知識

     緩和ケア:理解のポイント
         "意思決定支援"

                
     
                            について
          
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