⑴パターン1:
眠気はなく痛みがある
・ひるまずオピオイドを増量しましょう。
・ある程度オピオイドを増量したのに、
痛みがいっこうによくならないと
"オピオイドが効かない痛み"と考えがち
ですが、もし眠気がないのならオピオイド
の量が足りないのかもしれません。
・すでに、鎮痛補助薬などのオピオイド以外の
手段を駆使したのに鎮痛が得られないときも
眠気がないならいま一度オピオイドを増量
してみましょう。
注)フェンタニルは眠気が生じにくいため
増量は慎重にしましょう。
⑵パターン2:
眠気もあるが痛みもある
・これには5通りの対応があります。
❶非オピオイド鎮痛薬
・アセトアミノフェン、NSAIDsは、
眠気を生じないという点で優れています。
・アセトアミノフェンの使用量が低用量に
とどまっているのであれば、増量して
みます。
非オピオイド鎮痛薬の追加、増量の効果を
きちんと評価して、効果が得られなければ
中止または減量します。
❷オピオイドスイッチング※
・他のオピオイドに変更することにより、
鎮痛の効果が得られることがあります。
※オピオイドスイッチングとは
オピオイドの副作用などにより鎮痛効果を
得るために必要な量を投与できない場合や、
鎮痛効果が不十分な時に、投与中の
オピオイドから他のオピオイドに変更する
ことをいいます。
・モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、
タペンタドールのどのオピオイド間であって
もオピオイドスイッチングが有効である
可能性があります。
・少しずつ行うのであれば、リスクは少ない
ので試してみるといいでしょう。
❸鎮痛補助薬
・オピオイドを増量した結果、鎮痛が得られず
眠気が増強する場合は、鎮痛補助薬を検討
するタイミングです。
❹レスキュー薬やケア
・突出痛が主体である場合には、
オピオイドを増量しても眠気が増強する
ばかりで、いっこうに痛み(突出痛)が
和らがないことが多いといえます。
・突出痛の種類と病態を診断して、
それに応じた適切な対処方法を考えます。
・特に体動時痛の場合には、
予防的なレスキュー薬やリハビリテーション
的な対処が重要となります。
❺局所療法:放射線治療・
神経ブロック
・痛みが限局していれば、
放射線治療や神経ブロックといった局所的な
治療が適応となります。
⑶パターン3:
眠気があり痛みがない
・オピオイドを減量しましょう。
・患者さんは、眠くてその不快感を訴えること
ができないのかもしれません。
⑷パターン4:
痛みも眠気もない
・このパターンを目指して調整します。
まさにゴールです。