緩和ケアの定義(WHO 2002の定義)
問題に直面している患者とその家族に
対して、痛みやその他の身体的問題、
心理社会的問題、スピリチュアルな
問題を早期に同定し、適切な評価と
治療によって、苦痛の予防と緩和を行う
ことで、QOL(生活の質) を改善する
アプローチである。
・オピオイド鎮痛薬などの薬物療法による
副作用で疼痛緩和が図られない場合なども、
神経ブロックの適応を検討します。
・神経ブロックには、内臓神経支配に関連
した腹腔神経叢(ふっくうしんけいそう)
ブロックや知覚神経ブロック、くも膜下神経
ブロックなどがあります。
・使用薬物は、局所麻酔や神経破壊薬、
オピオイド鎮痛薬を併用するなどさまざま
な方法があります。
❸放射線療法
・放射線療法は、骨転移に対する疼痛緩和や
神経圧迫に適応され、特に脊髄圧迫による
麻痺を発症した場合は、24時間以内の早期
に放射線治療を開始することで神経症状の
改善を図ることができます。
・緩和ケアにおける放射線療法は、
局所治療による疼痛改善などを図ることで
オピオイド鎮痛薬の使用量減少に役立つ
可能性もあります。
・緩和ケアにおける放射線療法で第一に検討
されなければならないことは、副作用を
最小限に抑えることと、全身状態や治療
回数に伴う負担を減らすことです。
❹緩和的化学療法
・化学療法本来の目標には、
①治癒あるいは再発予防
②延命
③腫瘍の縮小
④症状緩和、QOLの維持
があります。
・緩和的化学療法が主に症状緩和やQOLの
維持を目的として実施されることに関して
言えば、化学療法本来の目標の一部を担って
います。
・緩和的化学療法はただ漫然と治療が行われる
べきものではなく、その目的をご本人と
医療者で共有し、お互い納得した上で実施
されることが大切です。
・それは、ご本人にとってはがん自体は治ら
ないとわかっていても、身体に負担のない
範囲で治療を継続することが生きること
への強みとなり、それがQOLの維持向上
につながることもあるためです。
・ご本人にとっての治療の意味をしっかりと
理解し、十分に検討を重ねていくことが、
緩和的化学療法を受ける方への看護の要点と
なります。