終末期ケア(734)ー2 "いつもとちがう状態と、その対応「意識がない②-3」" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。




うさぎ投稿がうまくできないので、

    2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️いつもと違う
    高齢者をみたら

1)いつもとちがう状態と
        その対応

❶意識がない②-3

◉意識障害についての
  考え方(チェックポイント)

施設では感染症による意識障害が、
 在宅では脳血管障害による意識障害が多い。







・意識障害を伴う脳血管障害は、出血やむくみ
 といった病変が脳に広く及んでいるか、
 意識をつかさどる脳の深い部位に起きたかの
 いずれかによります。

施設入所者は再発予防の薬剤による管理が
 行われているのに対し、自宅居住者は、
 独り暮らしが多いため発見が遅れがちになる
 ことに加えて「医療機関を受診しない人」や
 「以前指摘されたことはあるが継続治療を
 していない人」などが含まれます。

施設入所者の方では感染症が圧倒的に多く、
 電解質異常に代表される代謝性・中毒性が
 続いています。3番目に脳血管障害があり
 ます。





◉覚醒レベルが低下いるときは
 血圧をチェックしましょう

クローバー低血圧:最高血圧100mmHg以下の場合
 ・立ちくらみ、めまい、失神、耳鳴り、
  食欲不振、起床困難などを伴っている
  低血圧の人を「低血圧症」という。

 ・起立性低血圧は夏に多い。
  起床後や入浴後も、

 ・薬が過剰になっていないかのチェックも
  必要(加齢による反応性低下のため)
      ➡︎血圧が低い例では、降圧剤が過剰投与
   されているケースがよくある。


クローバー急な血圧上昇:最高血圧180mmHgを
        伴っている場合
  ・脳出血、くも膜下出血など、脳血管障害
   である可能性あり!

  ・麻痺(まひ)やしゃべれないなどの症状は
   あるか?

  ・高血圧性脳症
  急激な異常高血圧によって引き起こさ
   れる脳への障害を指します。
   慢性的な高血圧、腎不全、妊娠高血圧
   症候群など、高血圧をもたらす基礎疾患
   (もともと持っている病気)が原因と
         なりえます。

赤薔薇普段の血圧を知っておくことが大事
  測定する時間帯は、食前が原則
  食後や入浴後は低めに出ることが多い。
  低い値が続くようであれば、降圧剤を
  服用していないか、新たに加わった薬剤が
  ないかをチェックする。
  急な血圧上昇と、しゃべれないなど
  おかしい症状がみられるなら、迷わずに
  病院へ搬送しましょう。



◉意識がない状態を数値化する

・意識がない状態を手際よく伝える方法として
 JCS(ジャパン・コーマ・スケール)が
 あります。

 ・覚醒している状態が「一桁」
 ・刺激をやめると眠ってしまう状態が
  「二桁」
 ・刺激しても目覚めない状態が「三桁」

例 刺激しても全く覚醒しなく、痛み刺激にも
  全く反応しない➡︎Ⅲ-300




❷求められる対応:意識がない

◉意識はないが、呼吸していることを確認
 する。

◉意識を失った人をみたら、仰臥位に寝かせて
 足を高めにした状態にする(ショック体位)。
 脳への血流不足によって覚醒レベルが低下
 していることが多いため

◉糖尿病患者さんであれば「血糖」測定を!

◉SpO2が低いなら低酸素血症➡︎酸素供与する
 かどうかは慎重に。

◉手足が冷たいとSpO2は低く出る。
 そんな場合は手指を温めて再測定する。

◉バイタルサインはこまめにチェックする。
 覚醒レベル、体温、血圧、脈拍(心拍数)、
 呼吸数、SpO2の6項目(尿量を入れて7
 項目)
ビックリマーク意識がないだけで、ほかのバイタルサインが
 正常なら、てんかんの可能性大
ビックリマーク脈拍数だけが異常なら、心電図をとる必要
 あり➡︎ただちに医師に連絡する
ビックリマーク上記以外なら、あわてない!➡︎意識障害の
 7割弱が神経調節性、起立性低血圧

◉2週間前からの摂食状況は?排便は?
 睡眠は?変化はないか?

◉代謝性・中毒性の意識障害なら、電解質、
 甲状腺機能、使用薬物濃度のチェックは
 必須。

◉脳血管障害に伴う意識障害が疑われるなら、
 CT、MRI、脳波を調べるしかない。

◉意識のない状態が5分以上続くなら、
 あれこれ考えないで病院搬送する。





参考資料

いつもと違う高齢者をみたら
 在宅・介護施設での判断と対応
         荒井千明氏著
          医歯薬出版株式会社
      

 
 次回は、
   高齢者ケアのキーノート
    いつもと違う高齢者をみたら
   "「いつもとちがう」状態と
             その対応"
                    脈拍数が多い(頻脈)
  
               について
          
                                         
     一緒にお勉強しましょう ニコニコ


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