終末期ケア(566)ー2 "耐えがたい苦痛の緩和のために、鎮静することも"❶ | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ投稿がうまくできないので、
    2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ



⭐️終末期後期のケア


1)耐えがたい
  苦痛の緩和のため
    鎮静をすることも

イチョウ予後が日にち単位となり、ご本人にとって
 耐えがたい苦痛が生じたときには、「鎮静」
 も選択肢のひとつです。

イチョウほかに対処法がないか、倫理的に妥当か
 どうかを十分に話し合ったうえで実施
 します。





①できることをすべて
  おこなったうえで、
       鎮静を考える

・終末期後期になると、せん妄や強い痛み、
 呼吸困難などに苦しみ、薬物療法でも
 緩和できなくなることがあります。

"治療抵抗性の苦痛"です。
 このようなときは、ミタゾラムなどの
 鎮静薬で意識レベルを低下させる
鎮静(セデーション)」を検討します。

・ただし安易な鎮静は、倫理的にも避け
 なくてはなりません。

・「すべての治療が無効であること」
 「ほかの方法がないこと」が、
  鎮静実施時の要件です。

・苦痛緩和につながる薬物療法やケアを、
 すべて試みたうえで検討します。



②家族とチーム全員で検討し、
    最善と思える選択を

・鎮静には、夜間などに限定的におこなう
 「調節型鎮静」と、意識レベルを持続的に
 低下させる「持続的深い鎮静」があります。

・後者の場合は、一度鎮静を始めると、
 ご家族との最期の会話もできなくなります。

その意味でも、ご本人、ご家族の想いを
 よく聴いたうえで、鎮静の方法とその是非、
 タイミングを考えます。

・ご家族には、鎮静が命の長さを左右する
 ものではないことも説明しましょう。

・また、ご家族が決断を負担に感じないよう
 に、判断はチーム全体でおこなうことも
 話しておきます。
  

2)鎮静の目的や影響について、
    本人・家族に説明する

イチョウご本人やご家族のつらさに寄り添い、
 伝える内容と伝えかたに配慮します。


❶全身状態の説明

・根治的な治療法がなく、死期がちかいなどの
 身体状況について説明します。

❷苦痛についての説明

・治療抵抗性の苦痛と判断した根拠などを
 わかりやすく説明します。

※治療抵抗性とは、
その病気に対して有効であると科学的に証明されている
治療法を行っても、効果がみられなかったりすること。

❸鎮静の目的の説明

・持続的深い鎮静では、深い鎮静下で
 看取ることになる可能性が高いことを
 説明します。

❹鎮静の方法の説明

・目的にあわせて鎮静薬を調節し、投与する
 ことを説明します。

❺鎮静の影響の説明

・精神面やコミュニケーション、
 経口摂取などへの影響について説明します。

❻鎮静後の治療やケアの説明

・ほかの緩和ケアも継続すること、中止も
 できることを伝えます。

❼鎮静をしない場合の説明

・ほかの選択肢と、鎮静しない場合の苦痛の
 程度や予後について説明します。










参考資料

これならわかる
はじめての緩和ケア
聖路加国際病院緩和ケア科部長
林章敏氏監修(ナツメ社)


 次回は、非がん患者の緩和ケア    
  最終段階のケアと看取り
  終末期後期のケア
           "耐えがたい苦痛の緩和のために
         鎮静をすることも"❷
              鎮静の進めかたをよく理解して、
        モニタリングをおこなう
               
                           について
          
                                         
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