終末期ケア(542)ー2"せん妄が生じたときは、環境の工夫で事故を防ぐ"❷ | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ投稿がうまくできないので、
    2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ



⭐️肝不全の緩和ケア

1)便秘予防、かゆみ対策など
   基本のケアを徹底する

イチョウ肝機能低下による身体症状は、
 薬で完全にコントロールすることが
 できません。

イチョウ日常的なケアと心理的サポートで、
 少しでも楽に過ごしてもらえるように
 工夫しましょう。


①薬でとりきれない症状を
  ケアで少しでも楽にする

・腹水や倦怠感などの症状は、
 薬物療法で完全にとり除くことは
 できません。

・日常的な食事・排泄ケア・環境調整も
 重要です。

・つらい身体症状とともに、精神症状が
 生じることもよくあります。

不安や抑うつから睡眠にも支障をきたし、
 せん妄のリスクも高まります。

・つらい思いに寄り添い、心理的苦痛が
 少しでも軽くなるようサポートしましょう。

マッサージや足浴などで、心地よさを
 提供するのもいいでしょう。

・アルコール性肝硬変の方では、
 「ひと口でもいいからお酒を味わいたい」
 という方もおられます。

・終末期では、最期の願いをかなえ、
 満足感を得てもらうことも大切です。



②せん妄、出血などへの
   家族の不安を軽くする

・ご本人同様、ご家族もストレスを感じ、
 不眠や抑うつ状態に陥ることがあります。

・できるだけ時間をつくって思いを聴き、
 ねぎらいの言葉をかけるようにします。

また、せん妄や消化管出血など、見た目に
 顕著な変化が生じたときは、ご家族も
 大きなショックを受けます。

せん妄が発症したときは、まず原因を
 考え、その除去に努めます。

そのうえで、環境調整をはじめ、
 身体抑制をせずにすむ対策を考えましょう。

・消化管出血による吐血・下血は、
 濃いシーツなどで目立たなくする
 ご家族の不安軽減につながります。



2)せん妄が生じたときは、
  環境の工夫で事故を防ぐ

イチョウ病棟の個室や施設、在宅の場合は、
 ベッドからの転落を防ぐために、
 ポータブル畳が役に立ちます。

イチョウ「危険だから抑制」ではなく、
 「危険をとり除く」発想と工夫をおこない
 ます。



❶ベッドではなく、
      畳を活用

・せん妄で懸念されるのは、ベッドからの
 転落事故です。

・ベッドをやめて床にポータブル畳を敷き、
 そのうえに布団を敷けば、転落を防げます。


❷身体抑制はおこなわない

「最期まで
   いい時間を過ごす」
 いう緩和ケアの目的からも、身体抑制は
 望ましくありません。

・身体抑制により不安が増して、せん妄が
 激しくなることも多くあります。


❸ドレーンや点滴を見直す

・興奮して、ドレーンや点滴の針を自分で
 抜くこともあります。

急を要する処置でなければ、抜去するか
 夜間や見守りができる時間帯だけ実施
 します。





参考資料

これならわかる
はじめての緩和ケア
聖路加国際病院緩和ケア科部長
林章敏氏監修(ナツメ社)


 次回は、非がん患者の緩和ケア    
  認知症の緩和ケア
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