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⭐️肝不全の緩和ケア
1)便秘予防、かゆみ対策など
基本のケアを徹底する
肝機能低下による身体症状は、
薬で完全にコントロールすることが
できません。
日常的なケアと心理的サポートで、
少しでも楽に過ごしてもらえるように
工夫しましょう。
①薬でとりきれない症状を
ケアで少しでも楽にする
・腹水や倦怠感などの症状は、
薬物療法で完全にとり除くことは
できません。
・日常的な食事・排泄ケア・環境調整も
重要です。
・つらい身体症状とともに、精神症状が
生じることもよくあります。
・不安や抑うつから睡眠にも支障をきたし、
せん妄のリスクも高まります。
・つらい思いに寄り添い、心理的苦痛が
少しでも軽くなるようサポートしましょう。
・マッサージや足浴などで、心地よさを
提供するのもいいでしょう。
・アルコール性肝硬変の方では、
「ひと口でもいいからお酒を味わいたい」
という方もおられます。
・終末期では、最期の願いをかなえ、
満足感を得てもらうことも大切です。
②せん妄、出血などへの
家族の不安を軽くする
・ご本人同様、ご家族もストレスを感じ、
不眠や抑うつ状態に陥ることがあります。
・できるだけ時間をつくって思いを聴き、
ねぎらいの言葉をかけるようにします。
・また、せん妄や消化管出血など、見た目に
顕著な変化が生じたときは、ご家族も
大きなショックを受けます。
・せん妄が発症したときは、まず原因を
考え、その除去に努めます。
・そのうえで、環境調整をはじめ、
身体抑制をせずにすむ対策を考えましょう。
・消化管出血による吐血・下血は、
濃いシーツなどで目立たなくすると
ご家族の不安軽減につながります。
2)せん妄が生じたときは、
環境の工夫で事故を防ぐ
病棟の個室や施設、在宅の場合は、
ベッドからの転落を防ぐために、
ポータブル畳が役に立ちます。
「危険だから抑制」ではなく、
「危険をとり除く」発想と工夫をおこない
ます。
❶ベッドではなく、
畳を活用
・せん妄で懸念されるのは、ベッドからの
転落事故です。
・ベッドをやめて床にポータブル畳を敷き、
そのうえに布団を敷けば、転落を防げます。
❷身体抑制はおこなわない
・「最期まで
いい時間を過ごす」と
いう緩和ケアの目的からも、身体抑制は
望ましくありません。
・身体抑制により不安が増して、せん妄が
激しくなることも多くあります。
❸ドレーンや点滴を見直す
・興奮して、ドレーンや点滴の針を自分で
抜くこともあります。
・急を要する処置でなければ、抜去するか
夜間や見守りができる時間帯だけ実施
します。
参考資料
これならわかる
はじめての緩和ケア
聖路加国際病院緩和ケア科部長
林章敏氏監修(ナツメ社)
次回は、非がん患者の緩和ケア
認知症の緩和ケア
"本人、家族、チーム全員で
早めにACPをおこなう"❶
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
について
一緒にお勉強しましょう
※ ご感想、ご意見、ご質問、
ご遠慮なくいただけたらと思います。
手探りでやってますので、ヒントをもらえたり
私にも勉強になりありがたいです。