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⭐️肝不全の緩和ケア
1)腹水や肝性脳症などを
薬でできるだけコントロール
肝機能が著しく低下すると、
腹水、肝性脳症、かゆみ、せん妄など、
さまざまな合併症が生じます。
「動くのもつらい」という状況に陥る
こともあり、まずは薬での改善を試みます。
2)肝不全の4大症状には、
まず薬物療法で対処
肝不全の段階では、つらい症状の緩和が
目的です。
ご本人にとっての苦痛の強さをよく聞き
まずは薬での改善を試みます。
❶腹水
トルバプタンなどの利尿薬を、
まず試します。
・トルバプタン、スピロノラクトン、
フロセミドなどの利尿薬が有効とされて
います。
・ただし、腹水による腹壁の緊慢度によっても
苦痛の度合いは異なります。
・苦痛が強いときは、腹腔穿刺ドレナージも
検討します。
腹腔穿刺ドレナージ
・薬剤投与や腹腔穿刺ドレナージにて、
腎血流や排尿も改善されることもあります。
❷肝性脳症
アミノレバンなどで、血中アンモニア
濃度を下げます。
・ラクツロース散その他の薬で、
高アンモニア血症※の改善を試みます。
・便秘によるアンモニアの蓄積を防ぐため、
緩下剤による排便コントロールも重要です。
・せん妄が起きたときの対策も、同時に
考えておく必要があります。
※高アンモニア血症とは、
体内で生成されたアンモニアを上手く分解することが
できず、血液中にアンモニアが蓄積されてしまうこと
です。
アンモニアは人体にとって有害な物質なので、
血液中のアンモニア濃度が高まると意識障害等を
引き起こします。
❸黄疸・皮膚掻痒感
抗ヒスタミン薬のほか、向精神薬が効く
こともあります。
・末梢性のかゆみには、抗ヒスタミン薬、
黄疸のかゆみには、コレスチラミンを
使用します。
・黄疸がでると皮膚が乾燥傾向になります。
・中枢性のかゆみには、ナルフラフィン
などの内服薬などを使用します。
・皮膚に黄疸やほかの症状がない場合は、
パロキセチン、ガバペンチンなどの
向精神薬※が効くこともあります。
※向精神薬とは、
中枢神経系に作用し、精神機能を変容させる薬物の
総称です。
❹消化管出血
プロトンポンプ阻害薬で予防に努めます。
あわてず対処することも大切です。
・肝不全になると出血傾向がみられるように
なります。
・消化管からの出血は、精神的ショックを
ともなうため、予防が何よりも重要です。
・ご本人が負担に感じないよう、
プロトンポンプ阻害薬を服用してもらい
消化管潰瘍を予防します。
重症の肝疾患では出血傾向がみられ、
時には致死的になることもあります。
血小板減少、凝固機能の低下が原因として
あげられます。
・肝硬変、肝不全の方の場合、
門脈圧亢進症状がみられ、食道に静脈瘤が
できることがあります。
・出血傾向もあるため、食道静脈瘤の破裂
についても注意が必要です。
消化管出血時の対応
参考資料
これならわかる
はじめての緩和ケア
聖路加国際病院緩和ケア科部長
林章敏氏監修(ナツメ社)
次回は、非がん患者の緩和ケア
肝不全の緩和ケア
"腹水や肝性脳症などを
薬でできるだけコントロール"❸
肝不全の症状として、
倦怠感、不眠、抑うつなど、
その他の症状もともなうことも
について
一緒にお勉強しましょう
※ ご感想、ご意見、ご質問、
ご遠慮なくいただけたらと思います。
手探りでやってますので、ヒントをもらえたり
私にも勉強になりありがたいです。