終末期ケア (348)神経疾患、難病の看護 (変性疾患)筋萎縮性側索硬化症❶ | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。

こんばんは😊
今日も、読んでいただきまして
ありがとうございます😊

大切なご家族を亡くした方、
悲しみを乗り越えて、
   笑顔で過ごせますように🍀🙏

がんや難病、その他の病気と闘っている方、
身体もこころも前向きに免疫力をアップさせて
病気をやっつけることができますように🍀🙏

今日の松山のお天気は、晴れ☀️時々曇り☁️
朝は、7度
日中は、15度
雨の確率は、10%とのことです。

みなさん、
木の芽どきは体調を崩しやすく
なりますので本当にお気をつけてくださいねニコニコ


22日東京の発生者数は、178名
22日(0:00時点)
全国の感染者数は、423382
                                    (+1089名前日比)
退院者数は、398066名(+1328名)
亡くなったかたは、7472名(+57名)
(毎日新聞)

全国のコロナ発症の数は減ってきていますが
みなさん、
気を抜かないようにしてくださいね爆笑
明日は天皇誕生日㊗️です。
お天気もよさそうですけど、
密にならないようにしましょうねニコニコ


どんな人にあっても、
まずその人のなかにある、
美しいものを見るようにしています
この人のなかで、
いちばん素晴らしいものはなんだろう?
そこから始めようとしております。
そうしますと、
かならず美しいところが見つかって、
私はその人を愛することが
できるようになります
これが私の愛のはじまりです。

          マザー・テレサ


娘が沖縄に仕事で行っています。
糸満の海の写真を送ってくれました爆笑

我が家のクリスマスローズ



私のお気に入りの吊るし飾り
これはメルカリで手作り品を購入しました。





うさぎみなさん、こんばんはだぉぅロップイヤー


⭐️神経疾患、難病看護
                                  (変性疾患)
1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)❶

身体を動かすための筋肉が痩せていく
 病気で、筋肉そのものではなく、
 運動神経系が選択的に障害を受ける進行性の
 神経疾患です。

脳からの運動神経への指令が伝わらなく
 なることにより体が動かなくなり、筋肉が
 痩せていきますが、感覚や内臓の機能は
 通常保たれます。

通常、一肢から始まり、経過とともに四肢
 に症状が広がり、それと前後して
 球麻痺(構音障害、嚥下障害)、呼吸筋障害が
 加わり、発症して3〜5年で人工呼吸器が
 必要となります。

発症年齢は徐々に高齢化していますが、
 (60歳代後半から70歳前後がピーク)
 若い人は10代、高齢では90歳代で発症
 することもあります。

国内の患者数は約1万人と報告されており、
 指定難病の一つです。

多くの場合は遺伝しませんが、
 一方で、全体の約5%は家族内で発症する
 ことがわかっており、家族性ALSと呼ばれ
 ます。

最もかかりやすい年齢層は60~70歳台で、
 比較的男性に多く認められることが特徴
 です。

病気になってから死亡までの期間は
 約2~5年とされてきたが、医療の発達により
 長期療養も可能になりました。
 中には10数年の長期間にわたってゆっくり
 した経過をたどるケースもあります。





①ALSの進行と障害
脳から脊髄、脊髄から末梢神経を通って、
 筋肉を動かす命令を出している運動神経に
 不具合が生じるため、体が動かなくなり、
 四肢の筋力が低下します。

腕にその症状が現れると、
 ふたを開けたり手を挙げたりするのが困難に
 なり、足に至ると歩行や立ち座りが難しく
 なります。

話したり食べたりする機能にも運動神経が
 関わっているため、声が出しにくくなる
 構音障害、水や食べ物の飲み込みが困難に
 なる嚥下障害なども現れます。

よだれや痰が増え、呼吸が難しくなることも
 みられるようなります。

ALSの進行は個人差が大きく、
 発症1年以内に呼吸器が必要となる例も
 あれば、5年以上経過しても呼吸機能が
 保たれる例もあります。

必ず出てくる症状としては、
 四肢筋力低下
 構音障害(コミュニケーション障害)
 嚥下障害
 呼吸機能障害
 しばしば出現する症状としては、
 認知機能障害
 気分障害・うつ
 便秘
 痛み
 などがあります。



②ALSにおける
    緩和ケアについて

ALSを患った方に対しては、
 病気の初期から身体機能に対する治療・ケア
 とともに、今後起こるであろう症状に対する
 不安や意思決定に対するケアが必要と
 なります。
 
特に医療処置の必要な胃瘻造設や気管切開
 などに対しては、言葉で説明するだけでは
 なく、実際の器具を観てもらったり、パンフ
 レットを用いて説明して、処置後の療養生活
 のイメージをしやすくする工夫や配慮が必要
 となります。

筋力低下に対しては早期から機能維持目的の
 リハビリ、コミュニケーション障害や嚥下
 障害に対しては早い段階から代替手段の紹介
 導入や機能維持のリハビリ、呼吸機能障害に
 対しては排痰の工夫や呼吸リハビリを行い
 ます。

呼吸不全に対しては、人工呼吸器選択に
 対する意思決定の支援行う必要があります
 がこれはご本人の希望によるものです。

いずれの場面においても、
 ご本人が困っていること、援助が必要と
 考えられることから介入をはじめ、無理強い
 をしないようにします。

胃瘻造設や人工呼吸器などの意思決定が必要
 な場面では必ず、処置をした場合、
 しなかった場合それぞれで、その後に予想
 される経過や、その選択をしなかった場合、
 代わりに何ができるか、予想される症状や
 苦痛を和らげる方法など、
 考えられるメリット・デメリットの説明が
 必要です。

できるだけ複数回、ご本人・ご家族との
 話し合いを行った後、意思決定を行う
 ことが重要であり、一度決定したから
 変えられないということではなく、いつでも
 意思は変更可能であることを保証することが
 必要です。

終末期に呼吸器装着を希望されない場合は、
 終末期緩和ケアを行う必要があります。


※呼吸器装着を
     希望されない場合

終末期に生活の質(QOL)を低下させる要因
 の最大のものは呼吸苦ですが、酸素療法
 気道クリアランスの維持オピオイドを
 始めとする薬物療法を中心に治療
 行います。

充分な酸素投与、塩酸モルヒネ(オプソ)や
 硫酸モルヒネ(モルペス細粒)による苦痛緩和
 は必須です。

他の終末期の諸々の苦痛症状
 疼痛、身の置きどころのなさ、口渇、よだれ
 灼熱感、むせ、便秘、不眠、不安、孤独感、
 焦燥感などに対して対症療法を行います。

気道クリアランスとは、
気道内の痰や異物(細菌・ウイルス・ほこり・花粉など)
を排出する能力のことです。

③ALSの治療

ALSは原因が明らかになっていないために
 根治を目指すことが難しい病気です。

そのためALSの治療は進行を遅らせることを
 目的に行います。

進行を遅らせるために、神経細胞の変性に
 関係しているといわれる興奮性アミノ酸
 フリーラジカルを抑えるような薬を使用
 します。

興奮性アミノ酸の毒性は神経細胞を
 死なせてしまい、フリーラジカルは過剰に
 発生すると神経細胞を障害してしまう
 考えられています。

日本では、1999年からリルゾールという
 薬が用いられています。

この薬によって、2~3か月程度、進行を
 遅らせることができるといわれています。

また、フリーラジカルの働きを抑える薬と
 して脳梗塞の薬として使用されていた
 エダラボンが2015年に認可されています。

また、薬物療法に加えて、機能維持を
 目的としたリハビリも行われます。

       参加資料 メディカルノート

フリーラジカルとは、
活性酸素・フリーラジカルはわたしたちの細胞や
体内の代謝活動において作られ、生きるうえで必要なもの
です。(老化にも関係しています)

興奮性アミノ酸とは、
興奮性アミノ酸は脳内の主要な神経伝達物質である. 
その個体発生は発達早期に機能充進状態にある. 







参考資料
  神経疾患 難病看護ガイド
          (Van Medical)
  神経疾患の緩和ケア
           (南山堂)
  神経難病・膠原病看護マニュアル 
            (学研)
  これならわかる!はじめての緩和ケア
                                         (ナツメ社)

神経疾患、難病看護
 看護に必要な神経・筋疾患の知識
  筋萎縮性側索硬化症について❷
      (疾患別 変性疾患)   
     一緒にお勉強しましょうニコニコ


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