伊豆高原のグランパルイルミです。
グリセリン浣腸の実施方法
グリセリン浣腸とは、直腸内に50%グリセリン液を注入して排便を促す処置のことです。
術前処置または便秘の治療として、直腸内容物を除去するために行われます。
浣腸は一般的な処置ですが、腸管穿孔や溶血、血圧低下などさまざまなリスクがあり、実施には注意が必要です。
【グリセリン浣腸実施の手順】
1 処置前に問診で直近の排便状況を確認。さらに、腹部を触診し、お腹の張り具合を確認しておきます。
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2 患者さんの体位は左側臥位とします。
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3 浣腸を行う前に、必ず実施者自身で直腸指診を行い、直腸の向きや中の状態を把握します。
※事故の予防のために極めて重要です。特に直腸内に大量の硬便があるときは穿孔のリスクが高いため、摘便を先に行うことを検討してください。
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4 グリセリン浣腸のストッパーを5cmの位置に合わせます。
※添付文書には6~8cmにストッパーを合わせるように書いていますが、安全のためには5cm程度の位置に合わせるほうがいいと思います。
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5 浣腸のチューブの先端にゼリーをつけます。
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6 実施者の左手で患者さんの肛門付近を開き肛門を直視します。
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7 左手はそのままに視線を移動して、右手で浣腸のチューブの先端付近を持ちます。
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8 再び視線を肛門に戻して、肛門やストッパーを直視しながらチューブを肛門内に静かに、5cmのストッパーの位置まで挿入します。
※スムーズに挿入できない場合:直腸指診のときに確認した直腸の方向に沿うようにチューブの向きを変えてみてください。分からなくなったら一旦中止し、再度、手順3の直腸指診からやり直してください。
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9 グリセリン液をゆっくり注入します(60mLの液を15〜30秒かけて注入するくらいのスピード)。
※注入に抵抗がある場合、そのまま注入するのは危険です。チューブの先端が障害物(直腸壁または便塊)に当たっています。抵抗なく注入できる位置まで少しずつチューブを引き戻し、その位置で注入してください。
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10 チューブを静かに抜去します。この時、注入したグリセリン液が漏れてしまわないように、患者さんに声をかけて軽く肛門を締めてもらいましょう。
【グリセリン浣腸実施の注意点】
浣腸後、排便するまで我慢する時間は、患者さんごとに個人差はありますが、通常は1〜3分程度で十分です。
注意)
立位での浣腸の施行は、腸管を穿孔してしまう
危険性が高いので、立位での浣腸は行わないように
しましょう
浣腸使用時の血圧変動について
浣腸を使用すると、多量の排便が一気に出る
ことにより、軽いショック状態となり
血圧が下がることがあります。
心臓病の方や血圧が高めな方は、体調が悪いときは
ご使用にならないように注意してください
参考資料