日曜日の披露山公園、中央の広場では小さな子供達がはしゃいでいて、その回りに大人達。そして、入ってはいけないのに白いワゴン車と荷台が付いたバンが止まっていた。
タケシとミズホが近寄ってみると「ふれあい動物園」と木で作ってある手描きの看板と言うか札が車の横に長け掛けてあった。
中を覗いてみると膝位の高さの簡単な檻が作ってある。直径で6m程だ。その中では子供達とウサギが追いかけっこをしていた。その横には白いヤギが繋がれている。餌のキャベツを男の子持って恐る恐る手を伸ばしていた。デニムのエプロンをした女の人が「怖くないよ」と話している。
「へえ、面白い」
とミズホが言った。
「中に入ってもいいですよ」
と若い男の人が言った。彼も同じ柄のデニムのエプロンをしていた。
ミズホは檻を跨いで中に入った。茶色と白の斑のウサギを見つけて追いかけてみたが動きが早く逃げられてしまった。キャベツを貰ってしゃがんでいるとウサギの方から近寄ってきてキャベツを食べている。
そっと手を伸ばしてミズホはその斑のウサギを抱きかかえた。彼女はタケシに向かって笑顔でピースサインをした。
「ナイスキャッチ」
タケシは、携帯でその模様を撮った。
ミズホは、他のウサギを追いかけ今度は白いウサギを捕まえた。回りでは子供がウサギを追いかけたり、恐がって触れず泣いている子供もいて「大丈夫だよ」と係りの女の人が子供に言っている。
檻の回りでは親達がカメラで自分の子供の写真を撮っていた。それを見ていたミズホが
「私子供?」
と言ってタケシを見た。
「違和感はないかな」
タケシは笑顔だ。
ちょっとムッとした顔をしたが彼女も笑顔になって
「タケシも入っておいでよ」
と言った。
「いや、俺はこっちでいい」
と言って、繋がれている白いヤギの方に行き頭を撫でた。
その時、ヤギが頭を大きく振ってタケシの手をはじいた。ビックリして後ずさったのを見て、ミズホは手を叩いて笑った。
係りの人達や子供に親達も笑っている。
「おにいちゃん、気をつけないと」
近くにいた女の子がタケシに言った。それを見て皆大笑いになった。