追憶の柳川 #2252 | 大日本文化革命連合亜細亜共同戦線の石原マリアンヌのブログ

 福岡県柳川市の観光名物といわれる川下りを体験しました。TVなどで観たとき、何処か美しさを感じ憧れがありました。体験できたことはとても嬉しい黄金の時間でした。

 船に足を踏み入れた瞬間…不安定でバランスを崩しそうになりました。元プロ野球選手の稲尾和久氏は家業の漁を手伝うことで強靭な下半身が鍛えられた…と聞きます。私が体験したのは川でしたが、稲尾氏の話をふと思い出せたとき先人の偉大さに触れることが出来たと嬉しくなりました。
 船旅はおよそ60分です。年配の船頭さんが案内してくれたのすが、とてもカッコ良かったです。幼き頃、様々な観光地やテーマパークに行ったとき、必ず話の上手い年配の方がいました。その懐かしさに吹かれて涙を落としそうになりました。今ではSNSがコミュニケーションの主流となっています。その影響なのか…話が上手い人が減っていた印象を受けます。「マジで」とか「ヤバい」とか「バズる」といった流行語なのか若者言葉なのか分からない言語を文化人といわれる人たちまでが使っている時代です。船頭さんからはこれらの言葉は一切出てきませんでした。其処が凄くカッコ良かったです。いわゆる文通費(現:調査研究広報滞在費)は絶やしても、話の上手い年配の方は絶やしてはいけない…と強く想いました。
 途中、勉強になる話が幾つもありました。しかし、残念ながらほとんど理解することが出来ませんでした。仕組みは分からなかったのですが、柳川は水の循環が上手く出来る構造になっているようで氾濫することが滅多にないようです。考えてみれば、福岡県にて線状降水帯による大雨が降っても柳川についての報道が出ることは少ないように思います。再び先人の偉大さに触れることが出来て嬉しくなりました。
 心地好さのあまりに眠くなりました。最低最悪の零細企業、低俗俗悪の社長に意識はしていないつもりでもストレスを与えられ続けているのかもしれません。川下りは進めば進むほど景色が美しく感じました。特に美しかったのは大木に囲まれた風景でした。目を上げると緑が広がりました。不思議の森に迷い込んだ気がしないでもありませんでした。私にも「アリス」のように不思議さを受け止める心があったのかな…と思いました。
 観光の目的は様々にあると思いますが、私は歴史を追憶することにある…と思いました。今回はウォーズマン?ではなくウォークマンを持っていかなかったのですが、旅に出るときに必ず聴いていた曲がありました。その曲の一部を引用し本稿の幕を閉じます。
「遠い所へ行きたい どこか遠い所へ
 あの空の彼方へ 行きたいな」
(『風に吹かれて』 森高千里)


目の上に広がる緑一面の景色