勅使河原蒼風氏の「花伝書」に、
あなたはもしも花のないところに暮らしたらどうしますか?と問われ、それに対して「土をいけるでしょう。」と答えたという節があります。
花がなければ、花をどうにか探しだして、なんとしても花をいけねばならない、ということではなくて、
花の前に「いける」があるのだと思う。
と蒼風はいいます。
「花」は神がつくったもの。
それが人と出会って、「いけばな」に変わる。
ともいっています。
僕にとっての「花」は、命の気配があるものすべて。
「花」が「華」になる。それが華道だと思います。
「花の声」を聞くこと。
その花をいけて、見る人に花の声を聞いてもらうこと。それが言葉をいける華道。