たられば | 石元太一のブログ

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後輩が「自然を満喫 森さんぽ 首都圏版(ぴあ)」

 

と「東京カレンダー(東京カレンダー)」、

 

「暗号資産投資大全2025(大洋図書)」

 

を送ってきてくれた。

 

いつもいろいろなジャンルのものを

 

有り難いお願い

 

で、早速「自然を満喫 森さんぽ」という本から

 

読ませてもらったのだが、改めて

 

「森林浴っていいよなぁ」と。

 

きっと自然の中に身を置くことが、

 

人間には合っているのだろうね、やっぱり。

 

DNAの中に組み込まれているというか

 

何というか・・・。

 

自然を見て気持ちが落ち着いたり、

 

「綺麗だなぁ」と思える気持ちが

 

まだ自分の中に残っていて安心する。

 

ところでこの本の中には、あの明治神宮や

 

清正井も登場するのだが、

 

清正井を目にする度に彼女のことを

 

思い出す・・・。

 

「もしあの時、間に合っていたら、

   彼女の運命も何か変わっていたのかな・・・」

 

そんな今更考えても仕方がないたらればを、

 

つい考えてしまう自分がいる。

 

『美優にせがまれたのは初詣だけではなかった。

ある時、仕事を通じて知ったとかで、

明治神宮にある “清正井” に一緒に行きたいと

彼女が言い出した。 

当時の俺はあまりパワースポットというものに

興味がなかったのだが、必死に清正井について

プレゼンする彼女の姿がおもしろくて、

おもしろくて。

「そういったことをすごく信じているんだなぁ」

なんて思うと、彼女のことが余計愛おしくも思えた。

「じゃあ、美優の仕事が早く終わった時に

一緒に行こう」 と提案をし、

その話題を終えたのだが、

自分が思っていた以上にその機会は早く訪れた。

仕事を終えた彼女のことをピックアップし、

そのまま明治神宮へと直行したのだが、

思えば俺はその時まで明治神宮の敷地内に入ったことがなく、

どこに車を停めるのがベストなのかもわからなかった。

生まれてからずっと東京に住んでいても、

初詣などにあまり行く習慣のない人間にとっては、

それは特段不思議なことではないだろう。

でも、一度くらい足を運んでおいて損はない場所。

そんなことを考えた時、

「今日は俺にとってもいい機会かもな。

こうして誘われでもしなければ絶対に来ない場所なのだから」と、心の中で隣を歩く彼女に感謝をした。

ただその後ちょっとしたハプニングが起きた。

何と清正井を見れる時間帯が決まっていて、

その時間帯を惜しくも10 分程過ぎてしまっていたのだ。

時間帯が書かれてある立て札を目にした時は

思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまった。

「ついてないね」と言って笑う彼女に「そうだね」と言って

俺も笑った。

そして、来た道を戻りながら俺が、

「ごめんね、 多分俺の日頃の行ないが悪いからだわ。

清正が俺に会いたくないんだよ、きっと」 と言うと、

彼女は大笑いしながら、

「たいちゃんのことが怖かったのかもねー」と、

からかうような口調で言った。

結局目的は達成出来なかったわけだが、それはそれでよかった。人があまりいない静かな参道を歩く。

それだけで十分心が洗われるような気がしたし、

こういったデートもいいなと思った。

隣でけらけらと笑う彼女を見て。』

 

               「恋愛録」(大洋図書)より抜粋