温度差もあって起こったことなのかも知れない」
という部分について尋ねられることが多かったので
今回はそのことについて書きたいと思う。
今回、関東連合の属していた人間なら、事件が起こる
ことを予見出来ていたはずという判断が下されたわけなの
だが、それは全くの見当違いだ。
関東連合に属していた人間達だけが、ここまでの
事件になることを予見出来なかったと言う方が正しいと
思う。
俺を含め、関東連合に属していた先輩達は、現場に
軽装で集まっている。小池幹士に関してはのん気に
ロアビルの目の前のコンビニで飲み物を買ってから
ロアビル横に来ている。事件を予見していて、
防犯カメラのあるコンビニ立ち寄るはずがないのでは
ないだろうか。
実際、彼は事件後にプリペイド式の携帯、当日来ていた服などを
数件のコンビニのゴミ箱を回って、処分していることが、
彼の本来の用心深さを示している。
國田正春自身はロアビル横に行きたくなかった、店内に
入りたくなかったと話しているが「反証」の中でも
触れた通り、自己弁護の虚偽証言なのでここでは
スルーさせてもらう。
見立真一が俺の断りをすんなり了承していること、
國田正春に対し、「お前、大丈夫か?酔ってるから
行かなくていいよ」と発言していることからも、
見立真一自身が人数を必要としていなかったことがわかる。
それにだ、襲撃を本当に計画していたのであれば、俺と
國田正春を強引にでも参加させただろう。
今回逮捕された人間達を見たら分かるのだが、見立、小池、國田
そして俺以外は十代の時に関東連合として活動していない。
少なくてもある程度の経験をしてきている俺や国田正春は
襲撃を行うと考えていたのであれば、見立真一にとって
貴重な戦力だと考えるのが普通だろう。
始めから相手を襲うつもりなら、わざわざ人数と戦力を
減らすような発言はしないはずだ。それに見立真一自身も
覆面せずにクラブへ向かっている姿があることからも、
それは裏付けられるのではないだろうか。
だとしたら、クラブ店内で被害者に対し、突然の暴行を
始めた百井茂達に対して、見立真一が慌てて止めたと
いう話も納得が出来る。
やはり、百井が別の車に乗車していた為、見立真一の考えを
よく理解しておらず、見立真一との温度差が生じたのであろう。
そして、今回の事件の一番のポイントは百井茂だろう。
彼は今回の裁判時に宮前愚連隊というチームで十代の頃活動を
していたと言っているのだが、俺は彼が関東連合内のチームに
加入していたという認識はない。なぜそのようなことを
百井が言っているのかは分からないが、彼と同じ杉並出身で、
その上今回彼と敵対する立場となった小池、国田が法廷で
そう証言しているのだから間違いないのだろう。
彼が仮に活動をしていたとすれば、俺の1つ下の世代という
ことになるのだが、彼の代自体が存在しない上に、俺は
十代の頃、百井と一緒に喧嘩をしたり、事件を起こして一緒に
逮捕されたこともない。
百井自身が証言しているように、初めて彼と合ったのは俺が
21,22歳の時になる。
つまりだ、彼には抗争や喧嘩の経験があまりなく、十代の頃から
抗争を繰り返してきた関東連合の元メンバーが働く経験則が
なかったと言える。
百井が後輩達に指示したとされる、ロアビル目の前の大型
量販店でのジャージ購入や、名義車でのロアビル横への集合、
後輩達にバットを持たせクラブ店内に行かせるなど、無計画で
無謀な行為は関東連合に属していた人間からは考えられなかった
はずだ。

※事件当日コンビニの防犯カメラに映っている小池幹士
反証 六本木襲撃事件「逮捕からの700日」
2014年7月10日 双葉社より発売中
「不良録」元関東連合リーダーの告白
双葉社より発売中