熱しやすく影響されやすい僕は

この本を読み、記者になりたい、山に登りたい、と思いました。


1985年の日航機墜落事故に対する新聞記者の話です。

著者は当時、日航機の墜落した群馬県の地方新聞社の記者だったらしいので

この本で描かれる新聞社の様子はきっとリアルなものだと思います。

その様子は純粋に面白いです。

新聞社ってそんなところか…と思いました。

改めて、とても大変な仕事だと確信しました。

毎日毎日早朝の家庭に新聞を届けるために毎日毎日作り続ける仕事です。

印刷へ回す締め切りは深夜のようなので、当然毎日深夜まで仕事です。

そんな大変な日常に、世界最大級の事後です。


その大騒ぎの様子がとても面白かったです。

上司と部下とか、社内の対立とか、家庭のこととか、かっこいい主人公とか、

こういう感じの話にはよくあるような要素が盛り込まれています。

ぼくはその話の真のテーマとか、そういった小難しいことは分からないですが、

この話は、エンターテイメントとしてかなり面白かったです。

スピード感があります。勢いで一気に読むことができます。

このスピード感が、新聞社というスピードが求められる場所を表現するのに

ぴったりで、新聞社を描くにはこのスピード感が必要なのだと思いました。


地方紙は全国紙とは違い、地元のニュースに力を入れてます。

地元の人が知りたいような、詳しい情報だったり、小さな出来事だったり。

ですから、地方紙が自ら世界最大級のニュースを取材し

発信することはめったにないわけです。

だから規模の大きなニュースを取材し発信した記者たちは、

いつまでもそのことを勲章のように掲げそれを胸に生きているわけです。

この話では、連合赤軍の事件でした。

今回の事故が遂にその事件の規模を超えるこで、連赤組みの幹部達と

この日航機事故を実際に取材する若手の記者たちという

新聞社内の人間模様が一番面白かったです。

自分はどっちの立場でも、同じような思いをするんじゃないかと思いました。


山に登るということは何か人生のきっかけや区切りをつけることのようです。

なんのために山に登るのか、とこの主人公も考えています。


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