実話に基づくという事が恐ろしい話。
気が小さくて、セールスでもお客に嘘を就くことができない、
従業員のジョークも割り切ることができない、
別居中の妻や子どもとも一緒に暮らすこともできない…
そんな寂しい弱い大人がショーン・ペン。
強面で強いイメージの強いショーン・ペンですが、
この役ではひげで自分を強く見せているような、いかにも弱々しい感じ。
あの顔は強くも弱くもなるんですね…
さすが名優と言われるだけあります。
ちょっといっちゃってるとことか、最後のほうとか、鬼気迫るものがあります。
映画のいたるところで流れてるニクソン大統領の演説。
なにやら政治色の強い映画なのかなーとも思いましたが、よく分かりません。
が、主人公の勤める家具屋のボスの言葉は面白いです、
「一番のセールスマンはニクソン大統領だ。
二度公約で戦争を終わらせると言って二回当選した。
約束はするが実行はしない。」
まさにこれ、これが主人公が我慢できなかったこと。
利益を上げるためのセールスでも、言葉のあやのような嘘もつきたくない、
そんな嘘平気でつく上司にも我慢できない。
自分の考えを受け入れてくれない役所も我慢できない。
で、そんな不満の矛先は大統領へと向かっていってしまうのですね。
それはもう半分気が狂っていますが…
周囲の近い人は全く受け入れてくれなかったから、そうなってしまったのかも…
どんどんと自分の世界へひきこもっていってしまう主人公、
入念に計画を立て準備をする姿はとても痛々しいです。
そして事件後、テレビで流れるニュースには
妻も、唯一の親友も見向きもしない…とても悲しいです。
★★☆☆☆
ショーン・ペンありき…

