大友克洋の3話オムニバスからなる映画。
「彼女の思い出」「最臭兵器」「大砲の街」の3作品。

3話どれも全くテイストが違う。

「彼女の思い出」は、王道というか、とてもしっかりとしたSF。

不思議で、少し恐いサスペンスのような要素もあって、

ハリウッドのSF映画をそのままアニメにしてまとめたような出来。


「最臭兵器」は…「彼女の思い出」シリアスな雰囲気から一転、

いきなり地方テレビ局のワイドショーののんきな雰囲気で始まります。

風邪をひいた主人公が間違って極秘開発?の薬を飲んでしまいます。

そのおかげで、主人公の体に異変が…

…臭いんです。

その臭さにより会社どころか、街中の人が意識不明。

1人平気な主人公は東京へ向かうことに、しかしその臭さによって街は大混乱。

面白すぎです、めっちゃ臭いっぽいです、人間は意識不明、植物も枯れる。

黄色い臭気を出しながら原付で走る主人公…

1番面白いのは、原付で走る主人公がトンネルを抜けたところ、

トンネルを抜けると…目の前には戦闘機が…

最臭兵器である主人公を止めるべく軍隊が乗り出してます。

1人の人間に対し、日米の何機もの戦闘機や戦車が攻撃をするのは面白すぎる。

しかも戦闘機や戦車の計器も狂うんです…


そしてラスト「大砲の街」

衝撃ですこのアニメ。クレヨンで描いたようなタッチの絵、独特のキャラクター。

最初から最後までシーンを切ることなくストーリーが繋がっていくという特徴。

独特の不思議な感じではあるけど、なにやら普通の家庭の朝の様子から、

少年が家を出発するシーン「いってきまーす」

…ん?いや、「うってきまーす」と言いました少年は…????

そしてストーリーが進むに連れて、

どうやらこの世界の住人は大砲を撃つことのために生きているということが…

学校で習うのも大砲の原理や撃ち方、父親は大砲の整備の仕事をし、

母親もパートで砲弾を作る、少年の夢は砲撃手、

テレビのニュースではその日どれだけ打ったかを報道してます。

いったい何に向かって打っているのか、戦争でもしてるのか…

とにかく大砲を撃つことでこの街の人は生きていくことができるという、

なんとも恐ろしい話…すごいです…。

なんとも言えずすごいアニメです、こんなアニメどころか、映画はありません。


「大砲の街」の英語のタイトルを見てみましょう…

「CANNON FODDER」…FODDERなんです人間は…


★★★★★


エンディングの曲は石野卓球です…すげえ

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