トラフィック、アメリカとメキシコを結ぶ巨大麻薬コネクション。
アメリカを悩ませる大問題、麻薬。
メキシコから密輸される麻薬、それを阻止しようとする人たち、
それを世の中に売りさばく人たち、そしてそれを手に入れる人たち。
アメリカでの麻薬の拡散を阻止しようとする行政。
麻薬取締りの最高責任者であるマイケル・ダグラス、
そういう立場にいながら、実は娘は麻薬にはまっていて…
娘もその彼氏も学校では優秀な生徒。
また高級住宅街に住むキャサリン・ゼタ=ジョーンズの夫は
実は麻薬王で、逮捕されてしまう…
どちらも、表面上は裕福な幸せな上流社会に生きる家庭。
そんな表面には関係なく浸透している麻薬の恐怖です。
高校生でも簡単に手に入れることができるわけで・…
サンディエゴーティファナ間の国境を1日に通過する車は4万5000台。
すべてを完全に調べることはかなり難しいでしょう、
密輸のテクニックも日々進歩して分かりにくくなってるし。
陸路で国境を越えることのない日本では、
車で外国へ行くという感覚は分かりませんが、
空港で厳しいチェックを受け飛行機に乗らなければいけないのとは
ずいぶん違い軽い感覚ではないでしょうか。
日本でも麻薬は広がってきているんだと思いますね。
陸路がない分爆発的にというのは難しいかもしれませんが。
たかをくくっていると危険なことになるかもしれません…。
マイケル・ダグラスのラストがいい。
麻薬取締りの最高責任者という立場と、娘の現実。
職業として、麻薬に関わる人間は敵とみなさなければいけないけど、
麻薬に依存しているとはいえ愛すべき娘なんですね。
国を助ける前に自分の家族を助けなければいけない、と。
メキシコで国境付近で麻薬の取り締まりをしているベニチオ・デル・トロ。
マイケル・ダグラスが大きな視点から小さな視点が大切と考えたように
ベニチオ・デル・トロも小さな視点を大切にしています。
「公園に照明を付けて欲しい。
夜でも明るくて野球ができるし、みんな公園が好きだから。
そうすれば子どもは売人にならない。」
何にしても、そういう小さなことってとても大切なんでしょうね。
ラスト、照明のついた公園での野球シーンはなんだか考えさせられます。
とてもシリアスで、少し話しが複雑かもしれないけど、とても面白い。
エンターテイメントとしてもかなり楽しむことはできます。
ベニチオ・デル・トロはいいですねえ。渋すぎる。
★★★★★
組織の力って恐いです…

