なんだかとても悲しい。

恋人の弟、知的障害を持つ少年を殺してしまった16歳のリーランド。

原題は「The United State of LELAND」


「理由はない。

みんなは、僕にテレビの前で反省してると謝らせ、父親と母親、

テレビやゲーム、または彼女のせいにしたがっている。」


作家の父親を持つリーランドは感性が豊かで、

見るものの悲しい姿が見えてしまう。

野球をしている大勢の子ども達のなかの仲間外れの子ども、

仲のいいカップルの不幸な未来を想像してしまう…

そんなリーランドは世の中の悲しさに絶望し、

知的障害を持つ少年に深い悲しみを感じてしまった…


祖母の死から、涙では人は生き返らないと知ったリーランドは

その時から自分の人生も客観的に見てしまうように。

映画の中でも、ほとんど同じ表情。

無表情ではないけど、何を考えているのか分からないような表情。

最近の若者の象徴と言われそうな感じ…


何でも客観的に見えてしまうというのは分かる気がする。

以前、事件の犯人が中学生だったというニュースを聞いて

両親はかなりびっくりしていたけど、

犯人と同じく中学生だった僕はそれほど驚かなかった…

それはなぜなんだろう…年齢?

今、自分よりはるかに若い中学生が事件を起こしたと聞けば

以前よりは驚くと思う。

でも年齢だけ?現代っ子は感性がにぶってる?

と世に言われるような事は言いたくないけど、それもあるのかも…


リーランドはほんとに何にも無関心に見える。

逮捕されどうなるかも分からない自分のにも興味が無さそう…

その無関心さと、どこか遠くを見ているような目がいい。

悲しそうでいて、どこか温かいような目。

リーランドの語る言葉がとても深い。


★★★★☆


人生は記憶の断片の合計より大きい

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