『京都府警あやかし課の事件簿』天花寺さやか | 京都市某区深泥丘界隈

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綾辻行人原作『深泥丘奇談』の舞台、京都市某区深泥丘界隈を紹介します。内容は筆者個人の恣意的な感想に過ぎず、原作者や出版社とは関係ありません。

 天花寺さやか先生は、京都市生まれ、京都市育ちの作家で、小説投稿サイト「エブリスタ」で発表した「京都しんぶつ幻想記」が好評を博し、同作品を加筆・改題した『京都府警あやかし課の事件簿』でデビュー。本作で第7回京都本大賞を受賞されました。

 

 「京都府警あやかし課」とは、正式には「京都府警人外特別警戒隊」という機関で、鬼や幽霊といった人ならざる者、いわゆるあやかしが関与する事件を解決するのを任務とします。そこへ「猿ヶ辻」から霊力を授けられた20歳の女性、古賀 大(まさる)が入隊して……というお話です。「猿が辻」とは鬼門封じの目的で切り取られている御所の北東の角に安置されている猿であり、滋賀県日吉大社の眷属です。「声」のところでも触れていますので、よろしければご参照ください。

 

 

 上の写真は平安神宮の応天門です。平安京の大内裏の正庁である朝堂院の応天門を約8分の5に縮小して復元したものです。平安神宮は1895年に桓武天皇を祀る神社として創祀されました。下の写真は1929年に建立された平安神宮の大鳥居です。高さは24.4メートルです。応天門と大鳥居の間を結ぶ神宮道が大の記念すべき初出動の場所となりました。

 

 『京都府警あやかし課の事件簿』の魅力は、「京都府警あやかし課」というユニークな設定もさることながら、カッコいい大の霊力発動シーンにあると思います。どのようにカッコいいかはどうぞお読みになって確かめてください。年齢層の若い読者をターゲットにしている作品であると思いますが、おじさんも萌えます。