ヒライソガニの体色はいろいろ | 能登のさかな

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能登は四季折々にいろんな魚が水揚げされます。お魚屋やさんではみられない魚も海辺や市場に行けば沢山みることができます。そんな魚たちを紹介していきたいと思います。

 ヒライソガニは、北海道南部以南の岩礁地帯に生息するイワガニ科の一種で、甲幅2.5cmほどに成長します。

 

 生息域が広いことから日本で一番多いカニと手元の図鑑には書かれています。

びっくり

 

 確かに岩礁地帯へ行って岩を裏返すと、ヒライソガニが逃げ惑う姿を簡単に見ることができます。

 

 甲の背面が著しく平らなことが特徴で、石で押しつぶされたのかと心配するほどです。

爆笑

 

ヒライソガニ(背面)

 

ヒライソガニ(腹面)

 

 雄では眼窩の下側に11~13個の粒が並び、はさみ脚の稜でこすって発音するそうです。どんな音がするんでしょうか。ギーコギーコだったりして。

ニコニコ

 

眼窩の下側に並ぶ粒

 

 検索図鑑では、第3顎脚の長節と座節の境目が斜めになっていることが本種の特徴と書かれていました。平たい甲で見分けることができると思いますが、迷った時には確認するのが良いでしょう。

 

第3顎脚の長節と座節の境目(黄色の点線)

 

 それではタイトルの「ヒライソガニの体色はいろいろ」について紹介します。

 

 図鑑に載っているのは暗褐色ですが、いろいろな体色の個体がいます。甲が真っ白なものや黄土色、白黒の斑や縞模様などです。同じ種類のカニとは思えないほどですね。

びっくりびっくりびっくり

 

甲が真っ白

 

甲が黄土色

 

甲が白黒の斑

 

甲が白黒の縞模様

 

 体色の地域間の差異について調べた研究があり、薄い色の転石地帯では薄い色の個体が多く、濃い色の転石地帯では濃い色の個体が多いそうです。

びっくり

 

 ちなみに、今回紹介したヒライソガニは全部同じ場所(下の写真)で採集したものです。どちらかといえば薄い色の転石地帯と言えるでしょうか。

 

ヒライソガニを採集した磯