アユは清流の女王とも呼ばれ、川魚を代表するようなイメージを持っています。
そんなアユですが、一生の半分を海で過ごすということをご存知でしょうか。
解禁まもない6月に釣られたアユ
石川県ではアユは10~11月頃になると成熟し、川の中下流域で産卵します。産卵すると一年間という短い一生を終えることになります。
川底の小石に卵を産みつけるので、最盛期には卵だらけの小石を見つけることができます。
成熟して体表が黒くなったアユ
小石に産みつけられた卵
卵は2週間ほどでふ化し、すぐに海へ降ります。3日間ほどの間に海にたどり着くことができないと死んでしまうそうです。
だから、夏季に上中流域に生息していたアユが、産卵のために中下流域に移動するわけです。
10~11月に海に降りたばかり頃のアユは、体長1cmほどでほぼ透明の体をしています。
翌年の3~4月頃までは浅瀬に生息し、動物プランクトンを食べながらどんどん成長していくわけです。
川へ遡上する頃になると、透明だった体も銀色になり体長も5cmほどになります。
その後、川へ遡上し更に成長したアユは、6月の解禁以降漁獲の対象になるわけです。
このように秋季から春季は海で過ごし、春季から秋季は川で過ごすという海と川を半分づつの生活を送っているんです。
人が目にするのは川に遡上した後がほとんどなので、川魚というイメージも仕方がありませんね。
海に降りた頃のアユ
川へ遡上する前の稚アユ