イソカニダマシは、東京湾および佐渡島以南の岩礁域に生息するカニダマシ科の一種で、甲幅1cmほどに成長します。
磯で岩を裏返すと逃げ出しますが、それ程俊敏ではないのでイワガニなどと比べると簡単に捕まえることができます。
イソカニダマシ(背面)
イソカニダマシ(腹面)
最初に見つけた時は種名がわからず図鑑で調べました。見た目でカニの仲間(短尾類)だと思い、図版を何度も見るのですが該当する種が見当たりません。
もしかするとヤドカリの仲間(異尾類)ではないかと思い直し、図版を見ると特徴がちゃんと合致する種が見つかりました。バンザイ!!!
私の場合、カニの仲間だと思い込まされてしまい、イソカニダマシに見事にだまされたわけです(こちらが勝手に間違えただけなんですが・・・)。
カニの仲間ははさみ脚と第1~4歩脚が両側にあり、合わせて10本です。ヤドカリの仲間も10本ですが、第4歩脚が著しく小さいので、タラバガニのように見た目が8本だと言われることがあります。
イソカニダマシを注意深く観察すると 甲の両側に寄り添う小さな第4歩脚が確認できます。
ピンセットで伸ばすと脚の全体が見えます。先端部分は半透明で腹部の内側にしまい込まれていました。
第4歩脚(黄色い点線で囲んだ部分)
第4歩脚を伸ばした状態(黄色い点線で囲んだ部分)
腹部内側の第4歩脚先端(黄色い点線で囲んだ部分)
学生の頃、エビの腹部が縮小して腹面に折りたたまれるようになったのがカニだと教わり感心したことを覚えています。
ヤドカリの仲間は、エビとカニの中間的な形態になりますが、エビ寄りのものとカニ寄りものがいるのでややこしいですね。