ホタテガイと聞くと、北海道・青森県が思い浮かびますよね。ところが、1980年代には能登島でも養殖されていました。1990年代に入ると聞かなくなったので、知る人ぞ知るです。
ホタテガイは、東北以北に生息するイタヤガイ科の二枚貝です。生息に適した水温は5~20℃で、高温限界は22~23℃です。
七尾湾では、表層はおろか水深10mでも夏季に28℃を超えることが珍しくありません。天然では生息できない環境です。
では、どうしたかというと、冬季限定の養殖にしたんです。商品サイズのホタテガイを青森県からトラック輸送し、能登島沖で養殖しながら春までに出荷するという仕組みです。あんどん型の養殖篭にホタテガイが入ったまま購入し、筏につり下げるので手間いらずです。能登島沖での成長をそれ程期待しているわけではないので、畜養に近い方法ですね。
和倉温泉が近いので、年末年始の需要がありましたから、それなりに儲かったのではないでしょうか。しかし水産物の遠距離輸送が多くなるにつれて採算が取れなくなり、止めたのではないでしょうか。
実は、能登島の養殖業者さんのところで、学生時代にバイトしたことがあります。筏の上で食べさせてもらった貝柱は、強い甘みと海水のしょっぱさが相まって強烈な印象を受けました。
あれ以来、あんな美味しい貝柱は食べたことがありません。記憶の中でグレードアップされているだけかもしれませんが・・・・。
北海道産ホタテガイ(右殻)
北海道産ホタテガイ(左殻)
北海道産ホタテガイ(軟体部)
ホタテガイの貝柱