能登で採れるもずくには、石もずくと絹もずくがあるのをご存知でしょうか。
標準和名で言うと、石もずくがイシモズク、絹もずくがモズクで、種類が違います。同じナガマツモ科ですが、各々イシモズク属、モズク属と属レベルで異なっています。以前紹介したのは絹もずく(モズク)のことです。
生態も異なっています。石もずくは岩盤や転石に付着しますが、絹もずくはホンダワラ類に付着します。主な採集時期も石もずくが6~8月、絹もずくが2~6月です。
石もずくは輪島市や珠洲市で多く、輪島市では海女の潜水漁で採集されています。絹もずくは穴水町から七尾市で多く、船からブラシ等を使って採集されています。
石もずくは絹もずくと比べると、ネバネバは同じような感じですが、軸の部分が少し太く、食感が少しシャキシャキします。写真では違いが良くわからないかもしれませんが、食べるとすぐにわかります。
比較してみると、見た目は似ていても結構違うことがわかりますよね。
いずれのもずくも昔から食されていましたが、市場に出荷されるようになったのは、石もずくが後発です。記憶が定かではありませんが、20年くらい前でしょうか。
当時、漁協職員の方から聞いた話ですが、石もずくを買った人からもずくと違うんじゃないかというクレームがあったそうです。種類が違うので食感も違うということを説明して納得してもらったということです。今では笑い話ですね。
たまには、石もずくと絹もずくの両方を買って、酢の物の食べ比べをしてはいかがでしょうか。面白いですよ。
石もずく(イシモズク)
絹もずく(モズク)
石もずくの酢の物