千両役者
語源は歌舞伎からで、
江戸時代の歌舞伎役者で特に人気を誇り大衆を魅了した者を「千両役者」と表しました。一年に千両を超える給金を稼いだからだとも云われています。
現在ではプロスポーツ選手で抜群の技能で観衆を魅了する者を喩えて「千両役者」と呼びます。
マーリンズのイチローにとって、
マリナーズはメジャーリーグデビューした2001年からニューヨーク・ヤンキースに移籍した2012年の途中まで在籍した、いわゆる古巣です。
実況「43歳のイチローにとって、
セーフコ・フィールドでの最後の打席になるかもしれません」
マリナーズとマーリンズはそれぞれアメリカンリーグ、ナショナルリーグと別のリーグで戦っているため、対戦することは滅多にありません。(次は11年後らしい)
そんなイチローが2014年以来3年ぶりにシアトルに凱旋した3連戦。
シアトルはイチローを大歓迎し、
打席に入るたびにスタンディングオベーション。
シアトルは敵地です。ビジター、アウェイなのです。
こんな脚本はなかなか書けないだろうってぐらいな劇的なホームランだ。
身震いする。
野球の神様は(どこにいるかは別の話として)粋なことを成される。
メジャーリーグ115本目のホームランは、
セーフコ・フィールドでの54本目のホームラン
(対マリナーズでは初めて)。
これで日本プロ野球デビュー2年目1993年から25年連続のホームラン記録となったそうだ。
バッテイング練習で一番ホームランを打つのはイチローなんだという。ホームラン競争に出たら優勝するだろうど。
しかし、試合ではホームランを狙うバッテイングはしないのがイチローの流儀なのだ。
思い出のシアトルのセーフコ・フィールドでの最後の打席で、ちゃんと狙ってホームランを打っちゃうんだから、凄すぎる。
あまりも美しく詩的な出来事ではないか。
「プロなので、試合に勝てばそれでよいわけではない」みたいなことを言っていたイチローだ。
千両役者ここにあり。