トットちゃんの映画で、小学生たちが登場するのを見て、

重松清さんの 小学五年生 という作品を思い出しました。

 

2009年の出版で、

五年生の男子を主人公にした17の短編を収めたものです。

 

 

 

 

 

親友が転校したり、自分自身が転校生になったり、

家族が病気になったり、父親が亡くなったり……。

 

それぞれの「少年」がそれぞれの境遇で経験する思いが

ていねいに描かれています。

 

重松さんがこの文庫本のあとがきで、

ご自身の五年生の頃のことを記しているのも印象的。

 

四年生でもない六年生でもない、五年生について、

 

友だちや先生、親への見方が大きく変化した学年だった

 

と述べ、

 

人生で大事なものが、すべてこの時期にあった

 

とつづっています。

 

 

女の子に比べてなかなか

気持ちを言葉で伝えようとしないけれど、

心の中ではいろいろなことを思っている少年たちが

とても愛おしく思えました。

 

友だちの友だち 

 

南小、フォーエバー

 

バスに乗って

 

すねぼんさん

 

などは何回も読んでしまいました。

 

特に バスに乗って がいちばん好きかも。

物語の終わりでの、

河野さんへの気持ちの伝え方が

何とも言えない。

 

 

つくづく思うのは、

 

自分の息子が小学生のときに

これらの作品に出会いたかったなあ

 

ということ。

 

男の子は何を考えているのかよくわからない

 

とため息をついていた自分が残念に思い起こされます。

 

 

今日は何日ぶりかで晴天になりました。

楠木の緑が青空に映えます。