◆平成21年6月の静岡知事選挙、私は自民党推薦の坂本由紀子候補の選挙事務所で、川勝候補の万歳三唱をテレビで見ていた。

72.8万対71.3万票の僅か1万5千票差で競り負けた。苦しい選挙戦だったが、県内各地を飛び回り、地方議員1人分の得票差まで追い詰めたが、負けは負けだった。

 

◆静岡県は、首都圏と近畿圏を結ぶ大動脈が走る中間圏であり、黙っていても新幹線や第二東名など重要インフラが次々と整備されるため、静岡県民は国政与党とのパイプを実感していないようだった。結局、内閣支持率が低迷していた麻生政権の末期、8月解散に追い込まれ、政権交代への致命傷となった。そこから一大国家プロジェクトのリニア新幹線構想の歯車が狂い出す。

 

◆リニア工事完成を遅らせた15年間の川勝県政をどう総括するのか。

この大混乱を収拾するには、野党議員や民間人材、ましてや官僚出身者では困難だろう。

しかも、静岡県自民党の大重鎮が離党勧告を受けるなど、自民党は大逆風の真っ只中にある。

岸田内閣の支持率も平成21年当時の麻生政権と似通っている。自民党がどのような候補者を選ぶかが重要だ。

 

野党と相乗りをするのか、独自候補を立てるのか。

是非、我こそは!と勇気ある人物が名乗り出て、リニア新幹線の早期完成を訴え、この難局を乗り切ってもらいたい。