リクルート事件の背景には、派閥主体の金権政治がありました。

中選挙区では自民党から複数の派閥の候補者が争うため、有権者への過剰なサービス合戦(演劇鑑賞や接待など)に陥り、それらがカネが掛かる原因とされました。

そこで、派閥主体の金権政治から政策本位の政党選挙にするため、選挙制度を改め、政権交代可能な小選挙区制比例代表並立制が導入されました。

その他にも、政党以外への企業団体献金の禁止や政党助成金制度が導入され、政党の機能を強化し、政治資金の透明化のための受け皿となることが期待されました。

 

小選挙区制度を大前提とするなら、政党が主体となって政策を争う選挙制度である以上、私は派閥を解消するのが筋だと考えます。

岸田総裁の目を真っ直ぐ見て、まず隗より始めよで、岸田派の解散を求めました。

 

派閥はあくまで政策集団と言う方もいますが、最終的には党本部の政務調査会で了承されなければ自民党の政策にはなりません。

政務調査会の部会では、日頃から有識者や専門家をお招きして、議員なら誰でも参加できる政策の勉強会も頻繁に行われており、どうしても派閥で政策を議論しなければならない理由にはなりません。

その他の個別の政策テーマは、議員連盟を自ら立ち上げて、法制化することも十分に可能です。

 

また、派閥は人材育成の為にも必要だとの意見がありましたが、それでは無派閥議員である私達は、人材育成されていないと言いたいのでしょうか。笑

 

自民党本部には政務調査会をはじめ国会対策委員会、選挙対策本部、組織運動本部、広報本部など、その道のプロ集団である職員がいて、新人議員でもベテランでも分からないことがあれば懇切丁寧にイチから教えてくれます。私もその一員でした。

 

若手議員には『今度◯◯大臣と飲むから一緒に来ない?』とか、先輩方や記者からお誘いが頻繁にあり、酒を酌み交わしながら永田町の所作振る舞いや官僚・記者との付き合い方などを教えていただく機会も沢山あります。むしろ最近は、若手に声を掛けても集まらないという先輩方の嘆きが聞こえてきます。これも時代なんでしょうかね。。

 

脱線しましたが、小選挙区制の下で、政党が資金を集めて透明化し、人材育成も政策立案の機能が備わっているのですから、議員としてそれをいかに使いこなすかが重要であり、派閥がなければ出来ないなんてことはありません。

それでは何故、派閥が残っているのか?

 

その理由は、総裁選挙にあります。

総裁選挙に立候補するためには20人の推薦人が条件です。

「百年兵を養うは、一日これを用いんがためである」との諺があるように、日頃から議員を囲い込む必要があるのです。

その為に派閥はパーティー券でカネを集め、そのカネを配り、ポストを与えて忠誠を誓わせ、いざ鎌倉の際には天下を取るために一致して行動すべく、派閥が存在しているのです。

カネとポストは約束するから、総裁選ではボスの言う通りに投票しろと言う契約関係なのです。


これまで私は、総裁選では自らの信念に従って、この人こそ日本の舵取りを委ねたいと言う総裁候補者を応援し、安倍晋三総理、菅義偉総理、そして高市早苗先生に私の大切な一票を投じてきました。


そもそも総裁候補たるもの、識見や人柄を慕って自然と人が集まり、周囲から押し上げられていくべきものと考えます。

人間社会である以上は、グループを作るのは否定しませんが、今回の事件は、(上からの指示で故意ではないかも知れませんが)著しく限度を超えて、法律よりも派閥のルールに従ったのが問題の本質だと思います。

今回の事件を受けて、派閥を温存したまま法律を変更して対応すべきだとの意見は的を外しており、問題の根底にある派閥そのものを除去しなければ、自民党は『法律<派閥』と言う政党だと見做され続ける事になります。よって、病の元凶は元から断つべきと発言しました。




 つづく