第5回 GXに向けた天然ガスの高度利用とe-methane勉強会が開催されました。


成城大学経済学部の教授 平野創先生と一般社団法人日本ガス協会の専務理事 早川光毅先生にご講演をいただきました。


平野先生からは、

「脱炭素」社会に向けての「低炭素」化の必要性についてご講演頂きました。


カーボンニュートラルの実現に向けては、エネルギーの転換が必要不可欠である中、業種によっては影響が異なります。

特に、製造工程でCO2が副生される製造産業では、現在の技術の中で完全な脱炭素化の難易度は高く、脱炭素への投資だけでなく、まずは確かな低炭素の技術・環境を整える必要性を指摘されました。


また、エネルギーは適材適所であり、カーボンニュートラルを目指しながらも、薪・石炭・石油といった既存のエネルギー資本を完全に使わなくなるといったことは想定できず、e-methane、e-fuelなどの活用を進めるとともに、広く様々なエネルギー形態に投資を行う必要がある旨お話頂きました。


早川専務からは、

天然ガスの脱炭素化シフトに向けた都市ガス業界のe-methaneの取り組み等についてご講演頂きました。


e-methaneはCO2と水素から天然ガスの代替となる合成メタンを製造する技術のことです。

e-methaneは、その利用に既存の都市ガスインフラをそのまま活用できることから、新規のインフラ製造や安全性の検証をするコストが省けることがとても大きな利点です。

ただ、エネルギーの脱炭素化を進める中で、既存天然ガスとの価格差は大きなハードルになることから、脱炭素化を見据えた導入へのハードル引き下げの必要性を訴えられました。


既存の天然エネルギー資源の持続可能性が問題視され、環境配慮のエネルギーに重点が置かれる中、既存の天然ガスなどの代替手段として「環境配慮」「脱炭素」「持続可能」といった要素を持つe-methaneの可能性は大きく、2030年を見据えて国一体となって取り組む必要があります。


私から、水素や二酸化炭素を取り扱うに当たり、現状では高圧ガス保安法の規制を準用しているが、水素も二酸化炭素もガスとは性質が異なることから、新たな規制法が必要ではないかと指摘しました。また、e-methaneを日本だけでは高コストになることから、どの国々と連携すべきか等を質問しました。