大阪府柏原市の小規模特認校を視察。学区外の子どもが70%と人気 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

大阪府柏原市の小規模特認校を視察。学区外の子どもが70%と人気

大阪府柏原市の堅上小中一貫校を視察してきました。ここは預かり保育のある幼稚園とも一貫していて、12年間の一貫校です。運動会は幼稚園も含めて一緒にやります。




ここは学区の子どもだけでは人数が少な過ぎて、長期的な存続が見込めないことから、平成18年頃から小規模特認校という位置づけにしています。特色のある少人数教育にはニーズがあって、約70%が学区外の子ども。地元の子どもは約30%です。小学校だと全校で50人近くいます。

ここを視察先に選んだのは小規模特認校を館山市でも房南・神余エリアで始める予定があるからです。小規模特認校とは、全学区の子どもが希望すれば通える学校です。一方、地元の子は?というと、館山市では選択できますが、柏原市では原則として堅上のみで、選択はできません。

柏原市は人口6万7千人くらいの自治体で、市街地はベッドタウンですが、堅上小中学校は離れていて、山間部にあります。場所としては不便かつ、スクールパス対応も十分ではないのに、敢えてこの学校を選ぶ親子は一定数いるわけです。

実際に授業を見ると、12人くらいのクラスだと、とても充実した内容になっています。このくらいだと、先生と児童の対話が充分にできて、子どもの数は必要な多様性を満たしています。もしこれで、クラス替えまでできたら最高です。ヨーロッパだと、そういうことができている国もあるわけですが。

クラスの人数が少ないと、自然に意見を言う回数が増えて、能動的なアクティブラーニングになります。なお、中学校では「表現科」という科目を作って、パワーポイントでプレゼンをする練習もしています。話を傾聴する学習でもあり、自分の意見をまとめて伝える学習でもあります。また、小学校では1年生から英語教育があります。国に申請すれば、学習指導要領以外の教育もできるとのことです。他の科目を削る必要も出るわけですが。

1クラスの小中一貫校だと、卒業後が心配になりますが、5年間の追跡調査の結果では、高校で不登校になった生徒はいないようです。

男女がアンバランスな学年もありますが、全学年のイベントや交流もあるし、アンバランスのデメリットはそれほど感じていないようです。まぁ、女子校や男子校を選ぶ人もいるので、メリットもデメリットもあるでしょう。

課題としては、教職員の人手不足があります。本来であれば9人で回したいのに、7人で対応しなければならないこともあって、教職員側は大変だと思います。