宿泊税と入湯税 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

宿泊税と入湯税

千葉県で1人1泊「150円」の宿泊税をいつから始めるのかは不明ですが、導入の方向で検討を進めています。市町村でも独自の上乗せが可能ですが、現時点では館山市は導入の方向での検討を行なっていません。

 

それは、安房3市1町の宿泊業者が宿泊税そのものに反対が多く(賛成もそれなりにありますが)、上乗せについては、もっと反対が多いからです。

 

宿泊税を導入している地方自治体は、東京都や京都市などオーバーツーリズムに悩まされている傾向があり、実際には、観光客抑制の意味も持っています。宿泊税は価格が上がるということですから、宿泊客を減らす効果をもつ税金であることは事実です。なかには、観光財源としての積極的活用をメインにして宿泊税を導入した自治体もありますが。

私個人としても、宿泊税には反対の立場です。

 

 

なお、館山市では、宿泊税とメカニズムは同じですが、既にお風呂に入った人に対して150円の「入湯税」という負担を課しており、主に宿泊業者が市に税金を払っています。既に、宿泊税に似た観光税はあるわけです。入湯税は多くの観光地にあります。

 

使途を見ると、令和5年度は3287万円の税収があり、毎年、ゴミと消防の費用に500万円を当て、その他は観光財源というルールですから、2784万円を一旦、観光振興基金に入れてから、使っています。つまり、入湯税は、観光振興財源と観光のコスト負担という役割です。

 

 

宿泊事業者にとって、入湯税はメリットよりデメリットが大きいと思いますが、一定の負担は必要ということで続いてきた歴史があります。

 

ところで、入湯税は法律論では「間接税」となっていて、入浴者の代わりに事業者が市に払う建前になっていますが、実際には、宿泊業者が入浴価格を決め、そのなかから税金を払う「直接税」であると考えています。私はこの世に間接税は存在せず、常に税を役所に支払っている人の直接税だと見ています。形式論ではなく、あくまでも本質論ですが。

 

 

さらに深堀りしますが、地方財源の基幹収入は、あくまでも

①国から送られてくる地方交付税と補助金です。

②地方税収は、あくまでもサブの財源です。

(ここを逆に捉えている人が多数派で、私は少数派のマニアックな理論ですが、自説には自信を持っています。国政の積極財政派のなかに、私のような考えの人もいます)

 

そもそも、財源として地方税収を重視していないので、地方における増税には肯定的ではないのです。

 

一方、ごみ処理手数料の値上げには、本質的には肯定的な立場です(もちろん、低所得者の負担増も考慮しているので、安易な値上げには賛成しない)。なぜなら、ごみ処理手数料を上げると、ごみの量が削減されるからです。宿泊税や消費税は、宿泊や取引を減らしますが、同じ原理で、ごみ排出量を減らすわけです。税や手数料には「罰金」という意味合いも間違いなくあると考えています。