旭市における公民連携の複合施設
7月18、19日に千葉県内の地方議員グループ(千の葉の会)で行った視察旅行の続きですが、旭市・旭中央病院・イオングループ・社会福祉法人楽天堂により「公民連携」で運営している「多目的施設」も興味深いものでした。
旭市における国保旭中央病院の隣に、イオンタウン旭が3年ほど前に開店したのです。そこのなかには、旭市による公設民営で運営される多世代交流施設の「おひさまテラス」があり、楽天堂の介護施設であるデイサービス「わだち」もあります。そして、楽天堂はデイサービスの隣に、特別養護老人ホームを建設中です。
公営病院・大型商業施設・市のコミュニティホール・介護施設が集積している「コンパクト・シティ」とか、多目的の「複合施設」とも言えます。人口減少という長期傾向を十分に把握しての計画に見えます。
旭市について簡単に調べると、人口は約6万4千人くらいで館山市より少し多いですが、「面積」「自治体財政」「海がある田舎」「首都圏から少し遠いけど、遠すぎるわけではない」という性質は館山市と似ています。しかし、人口減少の見込みは、館山市より少し緩やかです。このように、似ているが少し違う自治体は参考になるものです。
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この介護施設は、敢えて「垣根」を取っ払って、見える化をして、一般人との交流を図っているのです。つまり、敢えて介護施設っぽさを出ないようにしています。
そして、イオンタウンの敷地内でデイサービスの隣に、特別養護老人ホームも建設中です。一般的に特養は、人里離れた所にあったりしますが、街のど真ん中かつ、商業施設の敷地内にあることは極めて稀です。こちらも、敢えて特養っぽさを出ないようにして、オープン化と交流化を図っています。
なお、こうした介護施設を作っても、人手不足で介護人材が集まらないものですが、「週休3日。1日10時間勤務」など人材募集にも独自性を出しています。8時間勤務なのに、2時間の残業になってしまうなら、最初から10時間勤務の方が良いと思います。また、週休3日も、多様な働き方を求める人々は一定数いるので、有効な求人方法でしょう。
旭市をちょっと視察しただけですが、古さと新しさが、うまく共存できているように感じました。古すぎるだけでは、人口流出も止まらず、移住者も増えません。かと言って、古さを一気に新しく変えてしまうのも、無理がありますし、慣習や文化も大事です。そのバランスがうまく取れていると感じました。