佳境に入った小学校再編計画 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

佳境に入った小学校再編計画

「館山市立小中学校再編計画(素案)」に関する各地区意見交換会ですが、今日、私は神戸・富崎地区の房南学園の会場で聴いてきました。地元地区の意見交換会に出るのが基本ですが、地元の館山地区は大きな争点もないし、どこの会場に出席しても良いので、房南エリアでは、どのような意見があるのか関心があり、この会場に出ました。私は議員なので、議会等で意見を自由に言えることもあり、今日は住民の意見を聴くことに専念し、発言はしませんでした。







まず、中学校は館山中の一校になります。小学校は計画素案では、北条小と館山小はクラス替えのできる標準規模校として、房南小は1クラスの小規模校として残し、他は統合になります(小学校3校体制)。統合といっても、吸収合併ではなく、対等合併なので、校名などの再編ルールは未定です。

房南小の特徴は、千葉県南部では珍しい「小規模特認校」になる予定です。地元学区の小学生は、地元の房南小でも、標準規模校の館山小のどちらに通うかを選べます。一方、館山小や北条小の標準規模校の学区の小学生も、希望すれば小規模特認校の房南小に通えます。そして、その選択の結果として遠距離通学になれば、スクールバスの対象者になります。市内の小学生は誰しも二択ですので、学校選択制に近くなるわけです。(完全な学校選択制だと3択で全部選べるが、そうではない)

房南学園会場の参加者は20名弱で、保護者もいれば、一般人もいました。人数は少な目ですが、熱心に質問や意見を発言する参加者が多い印象でした。

多かった意見としては、房南小が選択自由になることから「多過ぎたり、少な過ぎたら、心配だ」というものでした。

通学の便などに左右されますが、全国的には1%程度の児童が、学区を超えて、小規模特認校を希望されるようです。単純計算だと、館山市内の年間出生数は約200人なので、2人くらい増えるかなというところです。つまり、大きく増えないのが大半です。しかし、個別事情の要素が大きいので、増え過ぎる可能性も否定できず、その場合は人数上限の設定などを検討するようです。

逆に、房南小が減り過ぎないかを心配する声の方が多くありました。ただ、地元アンケートの結果から、教育委員会は、地元の8割は通ってくれるのではないかと予想しています。




神余・豊房地区の参加者もそれなりにいらしたようです。神余小エリアでは、房南小との統合に慎重意見もあり、神余地区は統合に賛成していません。ですから、「房南小の方向性は良いが、神余小との統合は先送りでも良いのではないか」という意見もありました。




小学校再編は2年前の令和4年6月頃の地区説明会から
①1学年の人数が少なく、複式学級(2学年統合クラス)でも良い。デメリットも覚悟して、地元教育と少人数教育の良さを大事にしたい

②1学年1クラスでも良いが、複式学級は避けたい。

③クラス替えのできる規模の小学校が良い。

の3択の希望を各地区で取りまとめるところから始まりました。希望通りになるとは限りませんが、希望がないと議論は始まらないからです。




多くの児童の保護者は、③のクラス替えができる規模を望みましたが、房南エリアでは、②の1クラス希望も多くありました。そこで、選択できる「小規模特認校」という方向性になったようです。

一方、神余小エリアでは、①の複式学級でも構わないので存続をという希望が多数意見のようです。ここが、館山市内の学校再編において、大きな「論点」として残っています。


かつて、富崎小学校が平成23年を最後に、閉校になりましたが、最後の全校児童数は10名でした。私は平成23年に議員に初当選をして間もなく、知人の紹介で、富崎小の授業参観を見学させてもらいました。複式学級で授業をしており、地域の大人たちが多数、授業参観を見にきていて、児童にとっても、地域にとっても、オープンで寛容な素晴らしい学校に映りました。

その時、思ったのが、6年間は素晴らしいけど、中学生でいきなり大人数になったら、大変ではないかということです。もちろん、中学生になって変化があっても、問題がなく、むしろ6年間の素晴らしい体験のメリットが大きい児童もいるわけです。


なお、館山市の全体事情として、財政逼迫と教職員不足はずっと続くという現実とあります。難しい話です。