全国の地方議員にとってのタブー。石丸前市長と安芸高田市議会 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

全国の地方議員にとってのタブー。石丸前市長と安芸高田市議会

変わった本を読んでしまいました。ロジカル一色の内容です。でも、あの議会との対立がロジカルだとは、やはり思えません。何かしらの狂いがあり、その非合理的なタフさが、彼の強さだと思います。都知事選に出るロジックもよくわかりません。ただ、出たいから出るというドライさと自由さを否定はしません。




石丸前市長と安芸高田市議会は、地方議員にとってタブーになっています。触らぬ神に祟りなしという感じでしょうか…

「石丸氏の言うことはわかる。問題もわかる。ネットで一般人から人気になっているのもわかる。一方、安芸高田市議会は特別におかしな地方議会ではない。むしろ、全国によくある。あれだけ、市長が自由に反論できる「反問権」を認めているのは、むしろ先進的だ。議会報告会もやっている。
 なぜ、エキセントリックかつ意図的に議会との対立を作り出すのか。炎上系YouTuberか。過激な批判をせずに、粘り強く対話を重ねるのが政治だ…」

さて、石丸氏の行政手腕ですが、合理的にばっさり切る行財政改革が特徴です。

・美術館の廃止
・温水プール、公営銭湯の廃止
・田んぼアートの廃止
・婚活事業の廃止
・花火大会の廃止
・青少年海外派遣事業の廃止

という具合に、費用対効果が曖昧で、生活に必要不可欠でなければ、少数の利用者が強く反対しても、ばっさり切ります。予算を新たにつけるのは議会の賛成が必要ですが、予算提出権は議会にはないので、市長が予算を切ったら、議会には手がありません。行財政改革では議会との対立は関係ないのです。議員がカットに反対しても、論破するのみです。

事業は減額ではなく、廃止にすると職員人件費がかからなくなるので、行財政改革の効果金額が大きくなります。

その浮いた費用を、莫大な予算が必要な給食費無償化に回したのです。これだけ予算を大胆に組み換える市長は極めて珍しいです。普通は反対の多さでくじけます。なお、議会も給食費無償化には反対しませんでした。

道の駅への無印良品の出店が否決。副市長の公募人事も否決。コンプライアンス条例も否決。決算は2年連続不承認。反対派議員との名誉毀損訴訟で敗訴。とまぁ、ゴタゴタもありましたが、なんだかんだの功罪半ばで、安芸高田市は悪くもならずに回っています。一過性でしょうが、知名度が上がって、ふるさと納税が増えました。

私は決して、このような政治家にはなれませんし、なることも勧めません。ただ、言っていることはロジカルでわかりやすいし、私とも考え方は似ていますし(手法が違う)、こういう政治家が希少価値として存在する意義はあると思います。