オーガニック給食後援会 in 館山市菜の花ホール | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

オーガニック給食後援会 in 館山市菜の花ホール

 

菜の花ホールで開かれた「オーガニック給食の勉強会」に参加しました。
南房総オーガニック、学校給食の会、行政職員、市議会議員など約30名でした。館山市議は6名、鋸南町議が3名、南房総市議は1名でした。

 

講師は、「NPO法人メダカのがっこう」理事長の中村陽子さん。

オーガニック給食を導入した自治体は、

「自然環境」「健康」などの大きな政策目標があり、その取り組みの1つとして、オーガニック給食があるものです。館山市の場合、こうした給食の取り組みをするとすれば、地産地消条例が大義になると思います。

 

 

 

農林水産省も文部科学省も、有機農業やオーガニック給食を推すようになってきています。

 

そもそも学校給食法第9条1項に規定する「学校給食安全衛生基準」において、

 

・食品の選定
一 食品は、過度に加工したものは避け、鮮度の良い衛生的なものを選定するよう配慮すること。また、有害なもの又はその疑いのあるものは避けること

二 有害若しくは不必要な着色料、保存料、漂白剤、発色剤その他の食品添加物が添加された食品、又は内容表示、消費期限及び賞味期限並びに製造業者、販売業者等の名称及び所在地、使用原材料及び保存方法が明らかでない食品については使用しないこと

 

となっており、この規定を守れば、自然にオーガニック給食になるわけです。逆に言うと、忠実に守っていないから、オーガニック給食にならないのです。

 

 

 

武蔵野市の「食材選定基準」が優れています。パンは国産小麦を使っています。

 

武蔵野市の給食は、独自に安全と栄養に優れた取り組みを長年続けており、高い評価を受けていて、行政視察も多くあるそうです。近年は有名になり過ぎて、視察の受け入れの多さに苦労するほどです。

 

 

給食の取り組みは、熱心だった役所の担当者が異動になると、終わってしまうこともありますが、武蔵野市の歴代担当は、そうならないように意識づけを意図的に行ってきました。また、安易に民間委託をせず、「給食財団」という専門の外郭団体を作って委託しています。

 

 



オーガニック給食は学校での調理が向いています(自校式)。

 

民間委託の給食センターは向かないわけですが、うまくやっているところもあります。静岡県袋井市は館山市と似たような状況で、オーガニック給食を導入しています。機会があれば、視察に行きたいと思います。

 

生産者と給食センターでは、知識と意識が全然違います。両者で対話して、認識を共有することが大事です。


給食で、「地産地消」や「オーガニック化」を進めるにあたり、最大の難点は「安定供給」できるかになります。館山市の給食センターは、4千食近いので、なかなか地産地消で苦労します。また、大手の学校給食会という組織に食材の納入を依存していると、独自性が出しづらいものです。学校給食会にもメリットがあるので、脱・学校給食会も難しい面があります。

 

また、安房の地は、給食でよく使われる食材であるニンジン・ジャガイモ・タマネギの栽培に向かないというデメリットもあります。これらの食材は、安くて栄養価が高いので、給食ではカレーなど、よく使われます。

 

あと、館山市の弱点は、給食センターでコメを炊けないことです。館山産のコメを鴨川市にある学校給食センターの指定工場に持っていき、そこで炊いて館山市に搬入するという、よくわからないことをしています。かつて、私はこの構図に反対意見を述べましたが、変わりませんでした。

 

いきなり、オーガニック給食は難しいにしても、

「国産小麦のパンを使う」「調味料を天然のものにする」「なるべく無添加にする」「地元産の利用をコツコツ増やす」などの取り組みはできると思います。

 

また、保育園は一つ一つの園で昼食を作っているので、こうした取り組みは園の判断でできます。大量供給ができなくてもできるわけです。

 

館山市でも、「食材選定基準」を作りたいものです。