観光DMO(観光地域づくり法人)は館山市でも設立すべきだと思う | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

観光DMO(観光地域づくり法人)は館山市でも設立すべきだと思う

 

今日の午後は観光政策の勉強会に出席しました。

 

 

13時30分から始まりまして、私は第二部も出たので18時近くまで、質疑応答も含めて興味深い講演会でした。

 

 

プログラムによると「第一回研修」ですが、3月にも今回の前段階の講演会がありました。今回も講演された山田桂一郎氏のお話を聴いています。

 

山田氏は「観光立国の正体」という著作があります。

 

 

この本では、スイスの観光政策を紹介していまして、

 

 

自分が印象に強く残っているのは、

 

1 高価格の客層をターゲットにしている

2 地産地消(地域内循環)なので、地域外に利益が逃げない

3 観光客への課税がある

 

という優れたシステムが確立していることでした。

 

特に3の課税は重要です。日本では京都市や箱根町など観光地の財政は軒並み悪化していますが、その理由は「課税」が足りないからだと私は考えています。

 

館山市では入湯税(温泉に入る時の課税)がありますが、さらに宿泊税を取るのは無理があるでしょう。

 

ですからやはり、政策的には「高価格」を目指し、地産地消(地域内循環)は進めたいものです。

 

 

さて、3月の勉強会と今回12月の勉強会の間に、議員のなかで出られる人だけで自主勉強会も行っているので、自分としては3回目の勉強会のような気持ちです。なお、来年2月にも山田氏には来ていただいて、さらに煮詰めた勉強会が開催される予定です。(なのでワークショップは来年2月になりました)

 

 

この一連の勉強会には政策的な実現目的がありまして、それは館山市で観光DMO(観光地域づくり法人)を設立することです。

 

 

従来の観光政策だと集まりが観光関係者だけになりがちで、集まりには人を運ぶ交通事業者が入っていなかったり、農業や漁業の関係者がおらず体験観光が進まない傾向がありました。観光政策の参加者を狭い関係者だけのものから、広い関係者にするということです。

 

また、観光政策をより実践的・現実的にしたいという狙いもあります。

 

そして、観光庁が観光DMOの設立を推進しています。全国では約300の観光DMOが設立されています。市町村単独のところもあれば、いくつかの自治体にまたがる広域で設立しているところもあります。また、県で設立することもあります。

 

 

なお、近隣市だと、鴨川市と南房総市がもう設立しています。これは近隣との連携のためにも館山市でも設置すべきです

 

観光協会が観光DMOになることもあれば、協会はそのままで別法人を作る形もあります。どちらの形式もありですが、協会とDMOの役割分担はしっかり決めておく必要があります。

 

市(行政)の観光部署との役割分担ですが、

 

行政:「方針」「施設などハード整備」

DMO:「戦略」「事業は何をするかというソフト面」

 

となります。なるべく行政の役割は控えめにして、DMOに任せた方がいいようです。財源については、当面は市町村行政からの補助金が必要だと思います。市町村職員から出向者は出さなくてもいいのではないでしょうか。いずれは、DMOは補助金なしで完全に独立し、自主事業で収益を賄えるようになるのが理想です。

 

 

特に、DMOを作る以上は、「行政」「商工会議所」との事業のダブリはなくしたいものです。同じことをやるのは、人員と財源の無駄遣いです。こうしたダブりをなくすのもDMO設立の目的です。