電磁波過敏症
携帯電話や電子レンジなどの電磁波に過度に反応してしまう電磁波過敏症の人はたまにいまして、日常生活で苦労されているそうです。
頭痛・皮膚のかゆみなど様々な自律神経系の症状が出ます。
電磁波過敏症が起きる理由については諸説ありますが、脳波も電波であることから、携帯電話などの電磁波が、脳波に悪影響を与えている可能性もあります。
電磁波のリスクに対する考え方はいろいろあるでしょうが、リスクゼロということはありません。現に世界各国で上限の規制を設けています。
日本やアメリカの上限は1000ですが、ヨーロッパの多くの国が加盟する欧州評議会(CoE)は0.1であり、その差は1万倍。世界各国でリスクに対する感度はバラバラです。その中で日本はリスクを軽視する国に入っています。
ちなみに私はこのブログを、無線でインターネットをつないで、電磁波だらけのところで書いています。もう、この無線生活を10年以上続けいます。個人的には悪影響はありません。
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さて、総務省の電磁波過敏症に対する見解はざっくり言うと、
「現時点で、電磁波と症状との因果関係は確認されていない」「日本の電磁波は安全であり、健康に被害はないはずである」
というものです。
「現時点で・・確認されていない」「・・・ないはず」とちょっと怪しさは残ります。少数説ですが「リスクは高い」とする研究もありますし、長期的な影響については現時点では検証不可能な面もあります。つまり、30年後とかにならないとわからないこともあります。
そして重要なのは、「症状と因果関係は確認されていない」と言っても、電磁波過敏症の方々の症状は改善しないことです。
「化学物質過敏症」「線維筋痛症(全身が痛い)」「慢性疲労症候群」なども画像検査では異常なしという場合が多いのですが、実際に症状はあります。現代の科学が原因究明をできていないだけです。
仮に「気のし過ぎ」だとしても、「気にするな」で症状は改善しません。
過敏症を訴える方には、その原因が疑われるものから離すしかないのです。直す・改善するという「結果」が大事なのです。
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私は「進歩主義者」なので総論として、人類はリスクを取りながら進歩を目指すべきという考え方です。
食品添加物・農薬・電磁波など、人間にとって有害である可能性のあるものが文明社会ではあふれていますが、結果として、人類の人口も増え、寿命も長くなっています。もちろん、添加物・農薬・電磁波などに警鐘を鳴らす方々がいたので、全体として、進歩と健康の両立が図れてきたのだと思います。
私の基本的考え方は、
・新しい技術は取り入れていくが、そのリスクを念頭に起き、性急にことを進めない
・症状を訴える人には、合理的な配慮をする
というものです。
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ギガスクール構想と言いまして、学校で1人1台のタブレット端末の導入が進んでいます。
電磁波過敏症への対策として重要なのは「有線化」です。無線だと電磁波が拡散するからです。
館山市の場合も、教室までは有線。教室内は無線で電波を飛ばすというものです。
電波を飛ばすアスセスポイントから、電磁波過敏症の児童がいれば、距離を遠くしたところの席にするなどの配慮が求められます。
文部科学省からは電磁波過敏症への対応に関しては何の通知もないようですが、
「電磁波過敏症の症状を訴える児童が出た場合は、配慮すべきではないか?」
と館山市議会で教育委員会に対して聴いたところ、
「相談があれば、アレルギー対応に準じて配慮する。ただ、現時点においては、電磁波過敏症があるという相談はない」
とのことでした。
電磁波過敏症は科学的因果関係が確立していないので、学校では無視される可能性があります。ですので、総論的で曖昧な質問ではありますが、まずは「電磁波過敏症」という概念を教育委員会・学校に広めるべく取り上げてみました。
しかし、議会答弁にあったように、相談がなければ教育委員会も学校も何も動きません。症状がある児童生徒・保護者は必ず相談して欲しいと思います。もし、相談しても話が通じなければ、私にご連絡ください。