防犯外灯 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

防犯外灯

夜道を照らす防犯外灯ですが、市区町村で行政が設置・管理しているところと、町内会が設置・管理しているところがあります。

館山市では町内会でやっていますが、近隣の南房総市と鴨川市は行政がやっています。これは、各自治体により様々ですが、都市部は行政でやっている事例の方が多いのではないかと思います。

館山市の場合は、新設する時に1基につき1万5千円が一律で補助されます。大体、2万3千円くらいかかりますから、残りの約8千円は各町内会で負担します。そして、その後の修理や蛍光灯の交換も町内会の負担となります。電気代も町内会の負担で、この電気代はかなり町内会の会計を圧迫しており、町内会によって違いますが、町内会費の2割くらいを占めます。

私も過去に1回だけ、防犯外灯の新設にあたり、地区の補助金申請手続きをしたことがあります。

防犯外灯

インチキな補助金詐欺ができないように、防犯外灯の設置工事の前と、設置された後の写真をとって補助金交付の申請をします。

町内の住民の皆さんから意見を聞いて、そして町内会の予算状況を踏まえ、どこに何基付けるか決めます。色々なところに付けて欲しいという要望があるのですが、予算上ない袖は振れません。また、館山市全体でも補助金の総額は決まっていますから、一地区でそんなにたくさん新設して補助金をもらうということも出来ません。

といった具合で、結構、設置には手間暇かかります。これを各地区の町内会の役員達がやっているのです。

そういうわけで、町内会に関わっていると、防犯外灯がいかに、町内会費の高騰につながっているか、維持管理もそれなりに面倒だということがわかります。

実感として、町内会ではなく、行政が、つまり「館山市役所」で一元化して、設置と管理、そして電気代を含め、費用を全部持って欲しい気持ちが生まれてきます。

現に、全国的にみても、行政でやっているところも多く、近隣市が行政でやっているというのであれば、なおさらです。

さて、現実に、豊房地区・神余地区・八幡地区から館山市でやって欲しいという要望が出されました。その後、さらには町内会連合会から、つまり館山市内にある全ての町内会の総意として、要望書が館山市に提出されるに至りました。

これが現在、館山市の政策的な争点となっています。

まず、大前提として、町内会方式でも行政方式(館山市でやる方式)でも、市民負担は同じです。町内会費で払うのか、税金(あるいは市への使用料)で払うのかの違いです。

市でやることになれば当然、町内会から負担が、市の財政に転嫁されるわけです。そして、町内会役員がやっていたことを、市の職員がやるか、あるいは市から委託された業者がやることになります。つまり、市の人件費も増えるわけです。だから、本質的に市民負担は同じなのです。

では、町内会のままでいくのか、市に移管するのか、ポイントは「効率性」と「公平性」になります。

効率性については、各地区でバラバラにやっているより、一元管理して市でやる方が、スケールメリットという点で効率的ではないかと思います。また、一括発注によりコスト削減も可能かと思います。

公平性については、これも各地区の懐具合で、防犯外灯に恵まれている地区と、真っ暗で夜道が危ない地区があるのはおかしな話です。また、町内会の加入はあくまでも任意であり、加入していない人々は、町内会費を負担せずに、防犯外灯の恩恵を受けることになり不公平が生まれます。

さらに、商店街の組合で防犯外灯の負担をしている場合があり、これも町内会での防犯外灯問題と基本的には同じです。(ちなみに現在、商店街が負担すべきものか、町内会が負担すべきものか、線引きが難しいものもあります。)

私としては、「インフラ」は本来、行政が行うべきものと考えています。防犯外灯も、道路と同じくインフラです。だから、近隣市と同じく、行政が全てやれればそれに越したことはないと思います。

また、防犯外灯の帰属という論点の他に、LED化をどう進めるべきかという論点もあります。

現状のままですと、球切れしたらLEDに変更という形で、コツコツやっていくことになります。

しかし、LEDにすれば電気料金はほぼ半額になることから、球切れ前に一気に交換してしまう方が、長期的に見れば得になります。ゆえに、これも各町内会ごとに、バラバラにLED化をするよりも、一括して市でやった方が、これもスケールメリットで効率的だと思います。

あと、前のブログで、政府の軽減税率や定額給付金を批判しましたが、庶民の負担を軽減するということであれば、防犯外灯の費用を行政で持つようにした方がよっぽど有益です。

政府には、軽減税率のような愚かな政策でもなく、定額給付金のようなバラマキでもなく、真面目に税金の使い道を考えて頂きたいとつくづく思います。