消防団
【場所も毎年、南総文化ホールの駐車場】
毎年、キビキビとした式典で、日頃の訓練の厳しさと規律の正しさを感じます。今日のために、平日に休みをとって、朝早く起きて準備をする団員達は大変です。
ところで、私も政治に関わるまではよくわかっていなかったのですが、消防団は一般人が仕事をしながら、その合間にやるボランティアであり、消防署は公務員がやっている職業です。消防団と消防署の区別、これを案外、知らない人が多いものです。もしかしたら、半分以上の市民は知らないかも知れません。
消防署の公務員だけだと圧倒的に人数が足りません。それと、消防署から火事の現場までは距離があり、そこで各地区に密着し、現場に直行できる地区の消防団を組織する必要が生まれるわけです。そして、各地には消防団員の拠点となる詰所があり、消防車を備えています。施設や装備は館山市が税金で負担しています。
消防団のルーツは江戸時代にさかのぼるので、とても歴史があります。江戸時代においても、現代の消防署にあたる職業の火消しがあり、現代の消防団にあたる町火消しがありました。
さて、消防団は、火事の鎮火だけでも大変です。夜中でも仕事中でも、いつでも火事は起きます。私も館山市の安心安全メールに登録していますが、館山市は5万人弱、家は2万世帯もありますから、やはり火事はそれなりの件数になります。火事のメールの度に、どこかの消防団は出動しているわけですから、本当に有難いことです。
また、火事で臨機応変に対応できているのは、日頃から装備の点検と練習を欠かさず行っているからです。さらに、冬季は乾燥し、火事がふえますから、風の強い日は、警戒を促すために、ベルを鳴らしながら、消防車を走らせます。火事だけでなく、とても出動回数は多いわけです。それに加え、行方不明者の捜索も時にはあります。
それで、現状の館山市消防団の最大の悩みは、団員数の減少です。その最大の原因は、自営業者の減少です。かつて、団員の構成は、7割が自営業で、3割が会社員でした。現在はそれが逆転し、自営業が3割、会社員が7割になっています。会社員が増えたというより、自営業が減った面が大きく、トータルの人員では大きくマイナスになっています。
自営業者は経営は大変ですが、自分で時間を作れますので、仕事と消防団との両立がし易いのです。また、消防団でつちかった人脈は自分の仕事でも生きますので、それも消防を続ける動機になります。
一方、会社員は、仕事中に自分の裁量では抜け出せませんので、仕事と消防の両立は難しくなります。また、会社員を雇っている事業者にとって、社員が仕事中に抜けるのはデメリットの方が大きいのです。
この団員数の減少を食い止める手だてはなかなか見つかりません。各地区で、新人の勧誘をしていますが、消防団に入ると大変なのは想像が付くので、なかなか入ってもらえないのです。
このように、団員数の減少を食い止める決定打は見つからないわけですが、やはりこれだけ大変な活動をして頂いている消防団員には、なるべく気持ちよく活動できるように、私も1期目には議会や、審議会である消防委員会では提案を行ってきました。(消防経験者ではない素人なので、やや的外れな発言があったことは否めませんが。)
1、消防団員の給与・手当の増額を要望。
給与といっても、年に4万円とかその程度です。勤続年数などにより上がっていきますが、たいした額にはなりません。やはり、仕事というより、本質はボランティアで、給与・手当も謝礼程度になっています。
そこで、少しでも増額できないかと市に働きかけたのですが、財源の問題でかないませんでした。ちなみに、少々、給与・手当を上げても団員数の増加にはつながらないと思います。あくまでも、団員の活躍に少しは報いたかったので、このような提案をしました。
なお、給与を地区消防団ではなく、団員個人の口座に振り込むように、消防委員会で提案をしたことがあります。それはその場では却下でしたが、その後、実現したようです。
2、老朽化した詰所の早期建て替えと、装備の充実を要望。
詰所の建て替えは年に1件ずつ行われています。装備の更新も行われているわけですが、財政難により、まだまだ不十分です。
消防は、安全という市民生活の根幹に関わるものですから、他の予算よりも優先順位が高いのは間違いないことです。今後も消防予算の充実を働きかけていきたいと思います。