月に囚われた男 | Manhattan Beach Video Archives

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いしいるかの観た映画

デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ監督作品。元々は劇場公開予定は無かったようだけれどサンダンス映画祭で好評だった為、急遽公開されたという。
 
低予算ながら、ハリウッドの超大作に負けず劣らずの迫力あるSF映画になっていてビックリ。そこは上手い。
 
SFと言うよりサスペンス・ホラー的要素の強い本作。
マジなガチSF作品として見ちゃうと、基地内の重力の描写とか、地球とのリアルタイム通話とか、いかにも意味ありげな女性の幻視とか(結局意味はない)ツッコミどころは満載だが、サスペンスホラー作品として見れば全然気にならない。
 
最先端クローン技術の進化が進むと、当然こういう使い方を考える人間は出てくるだろうし、とても人道的に倫理的に受け入れられない残酷さが上手く描かれていた。
赴任期間の3年はそのまま使い捨てクローンの寿命の3年だという残酷さ。なんとも恐ろしい未来。
 
いわゆる室内劇なのでキャストはサム・ロックウェルのみ。一人二役(三役いや四役か)。
 
ロビン・チョークなる人物がクローン役としてクレジットされているが、要するに合成編集前に相手役として演じるスタント的な仕事をしたんだろうか。よくわからんが。
 
あとは基地内のアシスタントロボットであるGERTY(ガーティ)の非常に印象的な声をケヴィン・スペイシーが彼らしく演じていた。
 
そして何故かしばしば出てくる韓国語。
 
안녕히 가세요 アンニョンヒガセヨ
 
月面基地の名前がサラン基地。
SARANG-사랑
 
つまり愛。ルナ社は韓国系企業という設定ということか。
 
 
 
 
 
 
 
2024年1月