女が眠る時 | Manhattan Beach Video Archives

Manhattan Beach Video Archives

いしいるかの観た映画

日本劇場公開時に、プロモーションとして監督のウェイン・ワンのインタビューかなにかをニュースか何かでやっていたのを今でも鮮烈に覚えている。
 
映画「スモーク」は自分の中でのベスト10に入ることは間違いない最高に素晴らしい作品なのだが、あのハーベイ・カイテルが淡々と演じたオースター原作のストーリーの独特なその雰囲気を見事に描いた監督が、日本のメジャーな俳優二人、ビートたけしと西島秀俊を使ってどうなるのか、ということがスゴク気になっていた。
 
そんなわけでようやくAmazonプレミアム作品に入ってきたのでワクワクしながら見た。
 
で、おそらくはこの映画を何の先入観持たずにみてしまった観客の殆どが、???とクエスチョンマークを頭に浮かべたまま劇場をあとにしたのはまず間違い無いだろう。
 
現実と虚構、主人公の妄想と実際に見聞きした映像が、脈絡なくなんの説明も無く入れ代わり立ち代わり淡々と流れ、これは純粋にストーリーを追っていくような見方をしていると、とんでもない混乱のるつぼに放り込まれてしまう、そんな練りに練った監督の用意した空間に観るものを引き摺り込むような作品。
 
おそらくある意味で観客を選ぶ作品だと思う、万人にお勧めしたい傑作かというと、やや強めに首をひねらざるをえないが、ワタシ個人的にはまずまず面白かったな。
 
PG-12だし、もう少しエロくてもいいんじゃないかとは思ったが。
 
ゲスト出演だというリリー・フランキーが実にいい味を出していた。
 
 
 
 
 
2017年11月