教育とは、ある意味においては、
「待つことだ」と言われます。
子供の教育でもそうです。
じっと我慢して、本人が
その気になるまでいかに
待ち続けるかが
教育の一つのポイントだと
言われますが、
まさにそのとおりだと思います。
(イエローハットの創業者の)
鍵山秀三郎さんは10年間
待ち続けたわけです。
社長のオレが
掃除をやっているんだから、
あんた方やれということは
ひと言も言わずに、
ただ黙って10年間、
毎日黙々とやり続けました。
10年たったときに、
幹部の一人がいつまでも
こんなことを社長にだけ
させていたらいけないと、
はじめて気がつきました。
気がつくのに
10年かかったわけです。
しかし、10年待ったという
言い方もできます。
周囲が発意するまで10年かかる。
その10年待つところに、
ある意味においては、
本当の教育のあり方を
教えられているのではないかと思います。
上甲晃著『志のみ持参』(致知出版社)より