体温の低下は免疫力の低下につながり、万病の原因となりますが、現代日本人の体温が低下している最大の理由は筋肉運動をしなくなったことにあります。体温の実に4割は筋肉から発生するのです。
私の幼少時は、どこに行くのにも長い距離を歩き、掃除や薪割り、風呂炊きなどの作業を余儀なくされました。主婦は家族全員の衣類を洗濯板とたらいを使って洗い、冷蔵庫などないので、毎日買い物かごをさげて買い物に行くというように、肉体労働や運動が生活の一部でした。
ですから、「運動不足」という言葉もほとんど使われることはなく、1960年までは、日本にはダイエット本は1冊もなかったといわれるのも当り前でした。
逆に、現代生活は、歩かない、動かない、物を持たない、運ばない、力を入れないでよい、つまり筋肉をほとんど使っていません。この便利な生活が日本人の体温を下げて、病気を増やしているのです。